中日・小笠原、プロ初完封 東海大相模の先輩・菅野に投げ勝った

 「巨人0-4中日」(28日、東京ドーム)

 その瞬間、両手を天に突き上げた。張り詰めていた中日・小笠原の表情が一気に崩れる。「今季中にはやりたい」と話していたプロ初完封を宿敵・巨人相手にやってのけた。

 「ほっとしています。1人ずつしっかり腕を振って投げることだけ考えました。野手の方に本当に感謝したいです」

 相手は東海大相模高の先輩・菅野だった。過去2度は完敗を喫し、特に昨年8月5日の初対戦は3回1/3、8失点。8回1失点の先輩に力の差を見せつけられた。「僕にとっては偉大な存在」と見上げる雲の上の人に3度目の挑戦で初めて勝った。

 走者を二塁に進められたのは初回だけ。強気に内角を攻め三回以降は無安打投球。八回を終えたベンチで朝倉投手コーチから「完封しろよ」と声をかけられ、九回は3人で片付けた。わずか3安打で4四死球、136球の熱投だった。

 発奮材料もあった。浜松球場で練習した23日、藤沢翔陵高の野球部に所属し、自分と同じ背番号11を背負う弟・智一くん(3年)が南神奈川大会の準々決勝で鎌倉学園に敗れ、最後の夏を終えた。大会前にはLINEで「頑張れよ」と送った。試合当日はスマートフォンを握りしめ速報を逐一チェック。延長の末に敗れたが、弟は救援で4回1/3を無失点に抑えた。

 無安打無得点試合を食らった前夜の屈辱を晴らす好投。3連敗していたチームを救い、昨季の勝ち星に並ぶ5勝目を挙げた。苦しい時こそ必要な若い力。その先頭には背番号11がいる。

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