履正社、スーパー1年生快投で8強 田淵、公式戦初登板初先発で4回無失点

 「高校野球北大阪大会・4回戦、履正社10-0大阪電通大」(24日、大阪シティ信用金庫スタジアム)

 北大阪大会では4回戦8試合が行われ、昨春センバツ準優勝の履正社が8強へ進出した。身長188センチのスーパー1年生右腕・田淵一樹投手が、公式戦初登板初先発で4回1安打無失点。5三振を奪う快投を見せた。北埼玉大会では花咲徳栄が4年連続6度目の出場を決め、史上7校目となる夏の甲子園連覇へ挑戦権をつかんだ。

 計り知れない可能性を感じる61球だった。16歳の誕生日と重なった高校野球生活のデビュー戦。田淵は自ら節目を祝う快投を見せ、8強へ導いた。

 「3年生は最後の夏なので最初は緊張したけど、ファーストストライクを取れるようになって落ち着いた」。照れ笑いしながら話したが、投球内容は堂々としたものだった。

 初回は先頭打者に四球を与えたが、3、4番は2者連続で3球三振。二塁すら踏ませず、4回1安打無失点で5三振を奪った。

 身長188センチ、体重72キロ。ヤングリーグ・ヤンキース岡山でプレーした中学時代には最速138キロを記録し、エースとして全国制覇に貢献した。

 岡田龍生監督(57)の期待度は高い。履正社で1年生投手が夏の公式戦で登板するのは、16年度ドラフト1位でヤクルトに入団した寺島ら数人しかいない。さらに寺島でも経験させなかった先発に抜てき。「コントロールがいい。夏の緊張感の中で投げられたのもよかった」。準々決勝以降の活躍にも期待した。

 田淵は岡山市出身。「自主性がある学校なので」と履正社への進学を決めた。寮がないため、入学前には意思を尊重してくれた母・千秋さんと大阪へ引っ越している。

 母はフラワーアレンジメントの仕事をしているため、岡山と大阪を往復しながら支えてくれている。「頑張って母にいいプレーを見せたい」。1年生ながら強い決意を持ってプレーする右腕。強力打線を誇る履正社に、頼もしい新戦力が台頭した。

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