巨人、致命的な接戦の弱さ 克服のカギは…

 巨人が借金3、4位と苦しんでいる。一時は貯金4で2位に浮上したが、6カード連続で勝ち越しがなく順位も低迷。岡本ら勢いのある若手も出てきてはいるが、なかなか波に乗ることができない。

 チーム打率・270はリーグトップ。同防御率3・94もリーグ3位。いずれも首位・広島の同・260、同4・05を上回っているが、5・5ゲーム差をつけられている。本紙評論家の関本四十四氏は「打つときは打っているが、七、八、九回でほころびが出るゲーム目立つ。投打がかみ合わない」と話す。

 要因として浮かび上がるのは、接戦の弱さだろう。リーグ2連覇の広島は今季も接戦に強く、1点差ゲームでリーグトップの10勝6敗。一方、巨人は4勝9敗と大きく負け越している。セの他球団ではDeNAが5勝6敗、阪神が8勝5敗、中日が8勝7敗、ヤクルトが6勝6敗。巨人はリーグワーストの成績だ。

 七回以降のリリーフ陣も巨人は沢村、マシソン、守護神のカミネロと広島のジャクソン、中崎らと比べても遜色ないメンバー。一方で広島は攻撃で四死球239を選び、犠打成功率も・837。巨人の同204、同707を大きく上回るなど、接戦で生きるデータもある。

 巨人は前カードのオリックス3連戦、全て接戦となり1勝2敗と負け越した。1日に3-1で勝利した試合では、七回に先頭のゲレーロが四球で出塁すると、高橋監督はすぐに代走・立岡を起用。続く陽岱鋼の左前打で立岡は一気に三進し、吉川尚の決勝犠飛を呼び込んだ。

 一方、2-3で敗れた3日の同戦では八回無死一、二塁でゲレーロの深い右飛で二走・岡本がタッチアップせず、好機を拡大できなかった。勝負どころでの采配や、記録に表れないワンプレーの重要性が改めて証明されたカードとなった。

 リーグ優勝7度、日本一3度の名将・巨人の原辰徳前監督は「3分の1が大勝、3分の1が大敗、残りの3分の1は接戦になる」という持論のもと、この接戦をいかに取るかを重要視していた。

 巨人は昨季の1点差ゲームも13勝27敗と苦しんだ。関本氏は得点圏打率・250のマギー、同237のゲレーロの奮起もカギとし、「オリックス戦の初戦のように局面を打開する手を打っていければ、投打がかみ合っていく可能性はある」と話す。巻き返す時間はまだまだ残されている。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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