松山聖陵、ハンマートレで聖地初星を 砂浜ラン&ダンス部の指導でパワーアップ

 第90回記念選抜高校野球(3月23日開幕、甲子園)に初出場が決定した松山聖陵(愛媛)。プロ注目の190センチ右腕・土居豪人投手(2年)の力投と、俊足打者を並べて相手をかき回す機動力が武器だ。この冬は、長打力不足の課題を克服するため「ハンマートレーニング」を導入するなど、ナインは甲子園初勝利を目指してパワーアップを図っている。

 機動力には自信がある。ただ、甲子園で勝ち上がるためにはさらなるパワーが必要だ。松山聖陵ナインはハンマーを振り上げ、グラウンドに並べた古タイヤを思い切りたたく。

 「花咲徳栄さんがやっていると聞いて、取り入れようと思いました」。1999年に沖縄尚学の1番打者としてセンバツ優勝を経験した荷川取秀明監督(36)が、選手たちの懸命な姿に目を細めながら説明した。

 昨夏の甲子園を制した花咲徳栄(埼玉)が実践していることで話題となった「ハンマートレーニング」。松山聖陵ナインも冬場のトレーニングとして取り入れ、昨年12月から毎日、練習の最後に行っている。重さ約5キロ。手首や背筋が鍛えられ「打撃練習で打球が速くなった」と2番・星本大輝内野手(2年)。190センチの長身で最速144キロのプロ注目の右腕・土居も「力がついている」と効果を実感している。

 その土居の力投を原動力に昨秋は県大会を制し、四国大会でも4強入り。打線は真栄城隆広内野手(2年)、星本、富里尚史内野手(2年)、平良倭麻外野手(2年)の“俊足カルテット”を1~4番に並べ、盗塁やバントなど小技を駆使して接戦を勝ち抜いた。

 ただ、秋のチーム打率は・295と高くはない。本塁打もゼロで「全国レベルで戦うには長打力が足りない」と荷川取監督。その課題を克服するために、ハンマートレーニングを導入した。

 冬場は梅津寺(松山市)の砂浜で走り込みも行い下半身を強化。さらに週1回、ダンス部に指導を受けながらリズム感や柔軟性を養うトレーニングを行うなど、さまざまな方法で身体能力アップを図っている。

 長身右腕・アドゥワ誠(広島)を擁して甲子園に初出場した2016年夏は、初戦で北海(南北海道)にサヨナラ負けを喫した。現2年生はその悔しい敗戦をアルプス席から見つめていた。

 50メートルを5秒8で走るチーム一の俊足・富里は「先輩たちができなかった1勝をつかみたい」と力強く誓う。「そのためには1、2月が勝負。たくましいチームをつくりたい」とは荷川取監督。持ち前のスピードに力強さを加え、聖地初勝利をつかみ取る。

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