秋山幸二が追及した「総合力の強肩」 99年日本Sで魅せたスーパープレー

 1980年代から「メジャーに一番近い男」と呼ばれ続けたのが、西武の黄金時代を支えた秋山幸二だ。通算437本塁打の強打だけでなく、中堅での広大な守備範囲と、長く補殺ランクの上位に顔を出す強肩の持ち主だった。

 「あんまり刺した記憶はないな」と当時を振り返るが、89年には右翼の平野謙が21補殺、秋山が10補殺で西武勢がパ・リーグ外野手の1、2位を占めた。翌90年には2補殺に減ったが、これは秋山の肩を他球団が警戒し、次塁を積極的に狙わせなかったためだろう。

 秋山は「肩が強いだけじゃ意味がない」と話す。外野手にとって重要なのは「いかに速く打球に追いつき、いかに速く投げて、いかに相手が次の動作に入りやすい送球ができるか」。いわば総合力としての「強肩」を常に追求してきた。

 ダイエー移籍後の99年。右翼にコンバートされていた秋山は、中日との日本シリーズ第3戦で、久慈の大飛球に最短距離で追いつくと、フェンスを駆け上がって捕球。飛び出していた一塁走者も好返球で刺した。37歳で見せたスーパープレーには、名手のポリシーが凝縮されていた。

 遠投は「120メートルぐらいかな」という。もっとも「山なりの軌道で投げた遠投と、実際の送球は使う筋肉が違うから」と口にする。現実のプレーを徹底的に追求した「強肩」の持ち主だった。

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