「育成の星」巨人・松本、引退会見で若手に金言 

 巨人・松本哲也外野手(33)が6日、今季限りでの引退を表明した。都内の球団事務所で会見し「今年1年間、1軍に上がれずにずっと2軍暮らしが続いたことが一番の決め手」と理由を説明。ガッツあふれるプレーで「育成の星」と呼ばれ、愛された苦労人は「チームのために何ができるかをしっかり考えて、頑張ってほしい」と伸び悩む若手に、“金言”を授けた。

 攻守に体を張ったプレーでファンを魅了した韋駄天(いだてん)は、すがすがしい表情で会見場に姿を見せた。「今は、だいぶ、スッキリした気持ちの方が強いですね」。9月の後半に身を引く決意をし、気持ちの整理は終えていた。そして次代を担う若手に対し、熱のこもった口調でメッセージを送った。

 「言える立場かは分からないが、自分はダイビングキャッチだったり、そういうのを特徴としてやってきた。何か特徴をアピールして、それを発揮するのが大切。チームのために何ができるかをしっかり考えて、頑張ってほしい」

 身長168センチと小柄な体で戦ってきた。快足と果敢なダイビングキャッチで、何度もチームを救った。「そういったところで全力でやっていかないと、生き抜いていけないと思っていたので」。自らの特徴を理解し、伸ばし、チームに生かす。この姿勢を徹底し、11年ものプロ生活を送ってきた。

 今季は1軍出場はなく、若手とともに汗を流した。最後の舞台は7日のファーム日本選手権。「チームの力になれるように、全力でプレーしたい」。会見の最後に球団職員から花束を受け取り、少しだけ感傷に浸った33歳。代名詞の“全力プレー”で、伸び悩むヤングGに最後のメッセージを送る。

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