「4番・投手」大谷、有終完封 打ってはV口火打!「エースで4番」将の夢かなえた

 「日本ハム3-0オリックス」(4日、札幌ドーム)

 日本ハムの大谷翔平投手(23)が国内ラスト登板を圧巻の投球で締めた。メジャー12球団が見つめる中、2リーグ分立後は2人目、パ・リーグでは初となる「4番・投手」で先発出場。投手では最速162キロの剛球で2安打に抑え、昨年9月28日・西武戦以来の完封で今季3勝目。4番としても1安打をマーク。リアル二刀流の勇姿を、本拠地札幌のファンの目に焼き付けた。

 最後はこん身の力を込めて158キロ直球を投じた。二ゴロ併殺打に打ち取り今季初完封を飾ると、大谷は感慨深げにグラウンドを見つめた。今オフのメジャー挑戦が濃厚な右腕が日本でのラストになる可能性が高い登板で有終の美。パ・リーグ史上初となる「4番・投手」のリアル二刀流で臨み2安打、2桁10奪三振。打っては1安打、決勝のホームを踏む活躍で、本拠地最終戦を勝利に導いた。

 124球の力投。「ちょっと、疲れたけど、最後までいけてよかった。九回に上がった時の歓声がすごくありがたかった。100を目指した中で、まだまだですけど、完封できてよかった」。ラスト登板勝利をかみしめるように振り返った。

 試合開始前から盛り上がっていた。「4番、ピッチャー大谷」の場内アナウンスにどよめきと歓声が交錯。練習後、栗山監督が「4番で行くぞ」と伝え、2つ返事した二刀流。両親、メジャー12球団が見つめる中、立ち上がりを3人で抑えた。初回の打席では2死二塁から一ゴロに倒れ、三塁ファウルゾーンでグラブを受け取りそのままマウンドへ。ポストシーズンも含め通算9度目の二刀流。二回2死から武田を最速162キロで空振り三振を奪うと、悠然とベンチへ下がった。

 栗山監督も成長に目を細める。5年前の入団交渉時に「エースで4番を務められる選手になってほしい」と大谷に訴えたが、その夢をかなえるまでになった。入団交渉で尽力した山田スカウト顧問(当時はGM)も「我々が想像を超えるほどの成長曲線を描いている。ダルビッシュが成長していくのと同じような感じがする」としみじみ振り返った。

 リアル二刀流は通算9戦9勝。「打つことも投げることも多くやりたいと思っていた。できなかったのは自分の責任」と今季ケガに泣いた悔しさを嘆いたが、上昇カーブを描く二刀流は準備を整え、夢のメジャーへ挑む。

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