ソフトバンクついにM16点灯 東浜パ単独トップ14勝で導いた

 「ソフトバンク2-0楽天」(1日、ヤフオクドーム)

 チームを勝利に導いたにもかかわらず、ソフトバンク・東浜の心は複雑だったという。「先に降りてしまって、岸さんの足元にも及ばないなと」。13奪三振の力投で孤軍奮闘する岸の姿を目に焼き付けながら、悔しさを味わっていた。逆にいえば、現状に満足することなく、常に高みを目指してきた東浜だからこそ、一人で10個もの貯金を稼ぐ先発の柱に成長した。

 前回8月25日のロッテ戦は今季最短の4回5失点で降板。「崖っぷちのつもりで(この1週間は自分を)追い込んだ」。140キロ台後半の直球で押し、カーブを交えて的を絞らせなかった。

 二回は内角高めに投じた球にアマダーが激高。威嚇行為を受けた上に、乱闘寸前の騒ぎで警告試合となった。「動揺した」と振り返ったが、逃げることなく楽天打線に立ち向かった。七回途中無失点でリーグ単独トップの14勝目。この試合で今季の投球回が143回1/3となり、5年目で初めて規定投球回をクリアした。

 開幕から「2勝1敗ペース」を目指してきたチームは80勝(40敗)に到達。優勝へのマジック「16」が初点灯した。それでも工藤監督は表情を変えない。「僕らは明日のゲームを勝てるように全力を尽くすだけ」。最短での胴上げは13日。ゴールがはっきり見えてきた。

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