高松商 逆転快幕!植田V2ラン 大ケガから復活の主砲が救った

 「高校野球香川大会・1回戦、高松商8-5高松工芸」(9日、レクザムスタジアム)

 香川大会が開幕。1回戦が行われ、開幕試合は昨春センバツ準優勝の高松商が逆転で高松工芸を下し、2回戦に進んだ。同点の七回に主将の4番・植田理久都捕手(3年)が決勝2ランを放った。昨夏4強の大手前高松は、粘る多度津を振り切り初戦を突破。石田-高松中央は五回途中で雷雨のためノーゲームとなり、10日に順延となった。

 大ケガから復活した大黒柱が、豪快な一発でチームを救った。5-5で迎えた七回1死二塁。高松商の4番・植田が内角寄りの甘い直球を仕留めた。左翼芝生席にたたき込む決勝2ラン。接戦に決着をつけた主砲は「力強く振り抜けた。打った瞬間、行くと思いました」と胸を張った。

 初回に4点を失う苦しい展開。マウンドでは、2番手の1年生左腕・香川卓摩投手が初回からのリリーフで力投を続けていた。「香川が笑顔で投げてくれていたから、打ちたかった」。主将で4番、そして女房役としての意地。八回にもダメ押しのタイムリーを放ち、2安打3打点の活躍で勝利を呼び込んだ。

 準優勝した昨春センバツに兄・響介と一緒に出場。史上初の同一大会兄弟アベック本塁打も記録した。新チームでは主将を任されたが、3月初旬の練習中に右膝を負傷。「膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼」と診断され、入院生活を余儀なくされた。復帰したのは5月中旬。「ずっと練習できなかったけど、その間はウエートルームにこもって上半身を鍛えました」。故障をプラスに変え、強打者はさらにパワーアップしてチームに帰ってきた。

 今大会前には慶大に進学した兄・響介から連絡があり「お前がしっかりチームを引っ張れ」と激励を受けた。2回戦の相手は志度。140キロ超の右腕・武田ら豊富な投手陣を擁する難敵だ。「次もチャンスで1本打ちたい」。21年ぶりの夏の甲子園へ、勢いに乗った主砲のバットが頼もしい。

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