大阪桐蔭・藤原 史上初の決勝戦2発 PL最後の部員だった兄の夢も乗せた!

 「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭8-3履正社」(1日、甲子園球場)

 史上初となった大阪勢同士の決勝は、大阪桐蔭が履正社を振り切り、12年以来2度目の優勝を果たした。藤原恭大外野手(2年)が先頭打者弾を含む2本塁打を放つなど、一発攻勢でライバルを下した。

 最高の舞台で美しい放物線を2度描いた。「ホンマに打ったんかな?」。そんな思いを胸にしまい、聖地のダイヤモンドを堂々と駆け抜けた。2年生の藤原が決勝戦史上初の1試合2本塁打。会心の2発で優勝をたぐり寄せた。

 まずは初回。センバツでは35年ぶり2度目の先頭打者弾で口火を切った。直球を「完璧」に捉えた2本目は六回、右中間席へ。準々決勝以降は無安打だっただけに「悔しさをぶつけられた。最高です」と笑みがこぼれた。

 1試合2発は自身初。「見てくれているかな」と頭に浮かんだのは、アルプス席最前列で見守る2歳上の兄、海成さんだった。PL学園の休部前最後の野球部員だった兄。共に甲子園を目指そうと藤原もPL進学を希望していたが、部員募集停止にともない進路を変えた。「日本一になれるのはどこやろう」-。悩んだ末に決めたのが大阪桐蔭だった。

 小学校では兄と3番、4番を組み、一緒に素振りをするのが日課だった。「憧れです。兄を追い抜かしたいと思ってやってきた」という弟の姿に、兄は「自分もここに立つのが夢だった。素直にうれしい」と胸を張った。

 帰省した正月に兄から「センバツ頑張れよ」と声を掛けられ、笑って「優勝するわ」と言い返した。自ら放った2本のアーチが2人の約束を果たした。

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