呉“猛打”コールドで8強進出 想定外?「徹底的に左対策」が奏功

 「秋季高校野球中国大会・1回戦、呉9-2熊毛南」(30日、下関球場)

 1回戦4試合が行われ、創部10年目で初出場の広島3位・呉が山口2位の熊毛南に9-2で七回コールド勝ちし、ベスト8に進出。また、広島大会覇者の広島新庄は、山口3位の徳山商工に9-3で完勝した。31日に4強をかけて広島県勢の両校が激突する。

 想定外の“猛打”と得意の小技がさえ、呉が堂々のベスト8進出だ。熊毛南の左腕・上田に対し、初回から積極的な攻撃を仕掛け、四回途中まで11安打の猛攻。「センター返しを中心に徹底的に左対策をしてきた」という中村信彦監督(61)の言葉通り、上田の決め球カーブを捉え、早々にKOした。

 14安打中、長打はわずかに2本。コツコツと単打を重ね、機動力を駆使。勝ち越した三回の4点目は8番・上垣内のスクイズ。さらに七回も、1死一、三塁から2番・奥田のセーフティーバントが結果的に試合を決める9点目となった。「点が入らないから、ああいう練習ばかりしていた」。ベンチから大声で叱咤(しった)する監督に、ナインが忠実に応えた。

 投げては「立ち上がりがいつも悪い」という池田が、二、三回に1点ずつ奪われるも7回5安打2失点。自己最速の136キロもマークし「80点ぐらい。連投も大丈夫です」と、31日の準々決勝に視線を向けた。

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