広島新庄16強 エース・堀、省エネ90球完投

 「全国高校野球・2回戦、広島新庄7-1富山第一」(15日、甲子園球場)

 2回戦3試合が行われ、広島新庄が富山第一を下し、初の16強に進出した。1回戦で延長12回177球完投のプロ注目のエース・堀瑞輝投手(3年)は、制球力を重視し、3安打1失点無四球の90球で完投勝利を挙げた。

 最後の勝負球は得意のボールを選んだ。真ん中高めの142キロ直球。「狙ってみました」と空振り三振に仕留めたエース堀は、屈託のない笑顔を浮かべた。3安打1失点の無四球完投。わずか90球の“省エネ投法”でチームを初の16強に導いた。

 力みで球数が増え、延長12回177球を投げた1回戦・関東第一戦の反省を生かした。

 「力を入れるんじゃなく、キレで打たせていこうと思った。前回は抑えてやろうという気持ちが大きかった」。初回から制球重視の投球。四回に1点を失っても冷静さを失わず、スライダーを巧みに交えて内野ゴロの山を築いた。九回にこの試合最速の144キロを計測するなど余力十分。90球完投は、近年では2012年の東海大甲府・神原の88球以来となる少数投球数の完投勝利となった。

 迫田守昭監督(70)は3年前のエース・田口(現巨人)と比較し「高校時代のストレートだけなら堀の方が上。田口は変化球が多彩でしたから」と最速147キロ左腕を評価。その威力ある直球を制球重視にするのは、勝って仲間と甲子園で野球を続けるためだ。

 宿舎が昨年のホテルから今年は旅館に変更された。2人がベッドで3人が布団の5人部屋。同室の杉村は「疲労をとらないといけないから」と3打点を挙げた捕手・古本と堀のバッテリーをベッドで寝かせる。友のサポートにも応えた2試合連続完投。「笑顔で終わりたい」と願うエースは頂点を見据えて、勝つ投球を続ける。

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