履正社・寺島4回9K発進…ドラ1候補、今季初失点に満足ゼロ

 「高校野球大阪大会・2回戦、履正社18-1関大第一」(16日、舞洲ベースボールスタジアム)

 大阪大会では、優勝候補の履正社が関大第一を圧倒し、初戦を突破した。阪神、ソフトバンクなど7球団のスカウトが視察する中、先発したドラフト1位候補のエース・寺島成輝投手(3年)は4回9Kと躍動したが、今季初失点を喫したことを反省した。

 初戦突破にも寺島の表情はさえなかった。報道陣には「全体的には悪くなかったと思う」と振り返ったが、心にはある事実が引っかかっていた。今季、公式戦で喫した初失点。だからこそ「次はゼロを課題にしたい」と力を込め、ゼロという言葉を繰り返した。

 7-0で迎えた三回、先頭打者に右翼へ二塁打を浴びた。連続三振で2死までこぎつけたが、右打者の内角を狙った直球が甘く入り詰まりながらも中前に落とされた。春季大阪大会、近畿大会と無失点を続けてきた左腕が今季初失点を喫した。

 二回にも四球と安打で無死一、二塁のピンチを招き、岡田龍生監督(55)は「ああいうところが課題。味方が得点した後に緩むのではなく、しっかり抑えないと。走者を出してから力を入れるのではなく、走者を出さない方がいいわけですから」。寺島にも試合中に伝え、大黒柱としての成長を促した。

 ただボール自体は高校生のレベルを超越している。春は封印していたチェンジアップを解禁し、4回まで12個のアウトのうち、9つを三振で奪った。大半が最速145キロを計測した直球で仕留めたもので、1年前、舞洲の初戦で大阪桐蔭に屈した時と比較してもレベルは格段に上がっている。

 開幕前、寺島は自らを厳しく追い込んだ。ランニングと体幹トレーニングの量を増やし、激戦区の大阪を勝ち抜くための体力を求めた。調整を度外視して体をいじめ抜き、調整に入ったのは開会式後。登板を重ねれば、まだまだ良化する可能性を秘めている。

 視察した阪神・畑山統括スカウト補佐は「これくらいの投球ができるのは分かっている。これ以上、評価を上げるとするなら大事な試合でしっかりした投球ができるかどうか」と語った。まだ一度も立ったことがない聖地のマウンドへ-。寺島のラストロードが始まった。

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