巨人の春季キャンプで臨時コーチを務める松井秀喜氏（４１）が１月３１日、宮崎市内の２軍チーム宿舎で行われた全体ミーティングに参加し、全員指導と全面支援を約束した。１～３軍の「巡回コーチ」として野手陣、投手陣に技術論や精神論を伝授する。高橋由伸監督（４０）との強力タッグで、常勝球団の再建に力を注ぐ。

　言葉の端々から、古巣愛があふれた。キャンプインを翌日に控え、ミーティング会場に姿を見せたゴジラ。後輩たちを前に「ジャイアンツの置かれている立場は非常に厳しいものがあると僕も理解しております」と切り出し、再建にかける熱い思いを吐き出した。

　盟友・高橋監督から直接オファーを受け、期待される役割は十分に理解している。「僕は野手出身ですから、この２週間、宮崎キャンプの中で技術的な部分、精神的な部分、そしてピッチャーに対する対策など、いろいろと私の経験をみなさんに伝えていけたらいいと思います」。深刻な貧打と勝負弱さを克服すべく、技術や打席での心構えを惜しみなく伝えていく考えだ。

　高橋監督は「できる限り全員に声をかけていただければ。選手に何か刺激となって、いいきっかけを与えてもらえたら」と、所属する８９選手への指導を要望。松井氏も「バッテリーの方も、バッターが何が嫌なのかということがあれば、またお話しできればいいなと思っております」と、野手だけでなく投手陣のサポートも約束した。

　ミーティング後、松井氏は「何もしゃべってないよ。あいさつしただけ」と、報道陣をけむに巻いた。熱い思いは胸に秘め、古巣への恩返しを果たす。