優勝狙う!高松商に20年ぶりの春切符

 第88回選抜高校野球大会(3月11日抽選、20日開幕・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が29日、大阪市内で開かれ、第1回大会(1924年)優勝の名門・高松商(香川)は、20年ぶり26度目の出場が決まった。昨秋の明治神宮大会を制した勢いに乗って、56年ぶりの甲子園Vを狙う。部員17人の小豆島(香川)は21世紀枠に選出され、甲子園初出場が決定。四国からは明徳義塾(高知)、土佐(高知)も出場が決まった。

 復活を遂げた名門に、20年ぶりの聖地切符が届いた。野球部OBや在校生らに囲まれ、高松商ナインの歓喜の声が響く。「ほっとしました。高松商には伝統がある。偉大な先輩たちを目標に頑張りたい」。就任わずか2年でチームを再建した長尾健司監督(45)は、そう言って表情を引き締めた。

 四国王者として挑んだ昨年11月の明治神宮大会を制覇。センバツは優勝候補として追われる立場になる。エース右腕・浦大輝投手(2年)は「夢の舞台。必死で練習して優勝したい」と秋春連続の全国制覇に狙いを定めた。重圧はあるが、それに立ち向かう覚悟はできている。

 センバツ第1回大会覇者で、春夏合わせて4度の甲子園制覇を誇る高松商。前回優勝の60年春には、偉大な先輩たちが高校野球史に残るドラマを演じている。米子東と対戦した決勝戦。1-1の九回に先頭打者の山口富士雄主将が激闘に決着をつけるソロアーチ。春夏通じて史上初の決勝戦サヨナラ本塁打だった。

 その山口さんはのちに阪急、大洋でプレーし、オールスターにも出場した。現在は野球部OB会の副会長を務める。この日は後輩たちを祝福するために学校を訪れ「私たちもこの日を待っていた。甲子園ではのびのびとプレーして、できれば校歌を聞きたい」とエールを送った。

 56年前の伝説の決勝戦を、今の部員はほとんど知らない。松山商、高知商、徳島商とともに「四国四商」と呼ばれ、聖地に刻まれた栄光の数々を詳しく知る者はいない。それでも名門の誇りはしっかりと受け継いできた。2年前には野球部OB会が寄付金を募り、念願の室内練習場が完成した。熱心に支えてくれる先輩たちの期待に応えたい。

 米麦圭造主将(2年)は「たくさんの応援が力になっている。感動してもらえるようなプレーをしたい」と力を込めた。神宮で見せたパワフルなスイングと機動力に磨きをかけ、狙うは56年ぶりの甲子園制覇。秋に吹き荒れた“高商旋風”を、春の聖地で再現してみせる。

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