釜石完敗もエース岩間「宝物だと思う」

 「選抜高校野球・2回戦、滋賀学園9-1釜石」(25日、甲子園球場)

 釜石(岩手)の春が終わった。初戦は小豆島(香川)との21世紀枠対決を制して甲子園初白星を挙げたが、この日は完敗。それでも、岩間大投手(3年)は聖地での2試合を「宝物だと思う」と表現した。

 最後まで諦めなかった。右肘痛で肘が伸びない状態で19安打を浴びても、九回を投げ抜いた。ナインも大声を出して元気にプレー。佐々木偉彦監督(32)は「最後の攻撃も9点取れると信じていた。地方大会では見られなかったこと」と、甲子園での成長を認めた。

 東日本大震災で母が行方不明となった岩間。初戦の後、父・茂さん(47)から「お前のことを誇りに思う」とメッセージが届いた。右腕は「夏は実力で戻ってくる」と、土は持ち帰らなかった。粘りの野球を見せることが、支えてくれた人々や復興途上の地元への、何よりの恩返し。歩みはこれからも続く。

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