西武・中村、大谷から記録づくし2発

 「西武6-13日本ハム」(24日、西武ド)

 和製大砲の存在感を見せつけた。4点を追う五回1死満塁。西武・中村が大谷の159キロを右翼席へ突き刺した。一時は同点となる29号満塁弾。「最高。みんながつないでくれたチャンスだったので」。王貞治(現ソフトバンク会長)のプロ野球記録に並ぶ通算15本目のグランドスラム。珍しくガッツポーズで「よっしゃー」と雄たけびだ。

 メモリアルづくしだ。四回の第2打席では左翼席へ28号ソロ。史上41人目の通算300号&同281人目の1000安打同時達成となるアーチ。1158試合目での300号到達は、1200試合の松井秀喜(巨人)を上回る史上8位のスピード達成だ。

 昨季味わった屈辱と申し訳なさが、中村を突き動かしている。昨年10月2日の本拠地最終戦。下位に低迷した成績を、ファンの前で謝罪する田辺監督代行(当時)の背中を見ていた。「あんな思いをさせてしまった」。2軍打撃コーチ時代から慕う恩師の悲しい後ろ姿。レオの4番として、誰よりも責任を感じた。

 だからこそ、今年に懸ける意気込みは誰よりも強い。全ては2008年以来、7年ぶりのリーグVで昨季の無念を晴らすためだ。世界の王に並んでも、松井を超えても、全て通過点。リーグ制覇まで、ひたすら打ちまくる。

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