「巨人７-１中日」（２０日、東京ド）

　屈辱を免れた。巨人が負ければセ・リーグに貯金のある球団がいなくなる危機だったが、連敗を４でストップ。“セ界王者”のプライドを守った原監督は「結果としてそうならなくて良かったし、今後、そうならないようにしたい」と、安どした。

　交流戦から続く嫌な流れを、全員野球で振り払った。一回、先頭長野の安打をきっかけに、亀井の中前適時打で先制。五回は無死二塁から井端が進塁打となる二ゴロで好機を広げ、亀井の適時二塁打を呼び込んだ。

　原監督の積極的な采配も、勝利を引き寄せた。七回、力投のマイコラスを打席に立たせたが、先頭で四球。すると、原監督はすかさず代走・鈴木を送った。前夜まで１勝９敗と苦しんでいた期間を「われわれが守る気持ちを出し過ぎて、選手にプレッシャーをかけていた」と、ベンチにも一因があったと見た指揮官。守りの姿勢から一気に攻撃を仕掛け、代打・高橋由の３号３ランで勝負を決めた。

　辛抱強く起用してきた長野が、２戦連続の猛打賞。キーマンの復調で、打線が活発になり始めている。原監督は「たくさん貯金を作りたいが、今はもっと大事な部分を考えなければ」と、勝負の夏場を見据える。我慢の時を経て、一気に混セを抜け出す。