楽天則本プロ野球新!交流戦4完封

 「交流戦、阪神0-4楽天」(21日、甲子園)

 野球の聖地に、強烈な爪痕を残した。楽天先発の則本がプロ野球新記録となる交流戦4度目の完封勝利。小学生時に少年野球の大会で登板して以来となる甲子園のマウンド。「阪神の応援が球場全体から聞こえてきた。でも楽しかったです」。声援に折れることなく、最後まで立ち続けた。

 立ち上がりから三回まで、毎回得点圏に走者を背負う苦しい展開だったが、徐々に甲子園のマウンドがなじんできた。四回2死、今成の4球目は自己最速タイの153キロ。阪神とは3日以来、今季2度目の対戦。7回1失点で勝ち星つかずの前回は「バテた」と言ったが、この日は「球数がかかっても仕方ないと思った」と、疲れ知らずの132球を投げ抜いた。

 八幡商時代、甲子園の舞台に立つことはなかった。「1年は(ベンチから)外れて、2年は(予選で)勝てなくて、3年は最後の試合すら投げることができなかった。縁はないと思っていた」。プロに入り、23歳での“遅咲きデビュー”。「聖地で勝利を収められてうれしいです」。ヒーローインタビューで笑顔がはじけた。

 24試合しかない交流戦で、6試合に登板して5完投、4完封勝利は驚異的な数字だ。「ちょっとわからない。どれだけのことをしてるか」。しばらく破られそうにない記録を作った右腕は、首をかしげた後に苦笑いを浮かべた。

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