「侍ジャパン強化試合、台湾０-１日本」（１０日、天母）

　小久保裕紀監督（４２）が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は１０日、台湾代表との強化試合第３戦を行い、１‐０で勝利し、３連勝で遠征を終えた。逆転勝ちだった第１、２戦と違い、先制点を奪い、無失点継投で逃げ切った。４年後の第４回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）へ向けて、小久保ジャパンが最高のスタートを切った。

　最高の船出を飾った。スモールベースボールで奪った１点を、４投手が無失点リレーで接戦に勝利。完全アウェーの台湾で３戦３勝。小久保監督が声を弾ませた。

　「３連勝できてよかった。選手を預かる身として、いい経験をさせてもらった。侍ジャパンとしていいスタートを切れた」

　派手さはなくても、標ぼうする野球を見せつけた。三回２死から菊池が中前打を放つと、続く岡島の初球に二盗。さらに暴投で三進し、岡島が右前適時打を放って先制。これを投手陣が守りきった。

　集合した５日からわずか１週間。短期間でも青年監督らしく選手目線で心をつかんだ。

　ゴールデングラブの発表となった７日。宿舎での全体ミーティングで「うれしいニュースが届いています」と菊池、秋山らの受賞を報告。自身の経験も踏まえて「守備は練習すれば必ずうまくなる」と成長著しい若手の心をくすぐり、集中力を高めた。

　試合後は一塁ベンチ裏で解散式を行った。「今回のメンバーが２０１７年の（第４回ＷＢＣで）主力となってくれるよう、これからの活躍に期待しています」。日本野球の復権を託された新指揮官。次世代を担う侍とともに、世界一奪回へつながる軌跡を描いていく。