【井川慶氏の眼】阪神劇的サヨナラ勝ち 勝利の分岐点は無死二、三塁を抑えきった八回 攻める気持ち失わなかった湯浅と岩貞

 「JERA CSセ・ファイナルS・第2戦、阪神5-3DeNA」(16日、甲子園球場)

 ファイナルS第2戦が行われ、阪神は同点の延長十回無死一塁から、森下翔太外野手(25)が左中間にサヨナラ2ランを放った。アドバンテージの1勝を含む通算成績を3勝0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。デイリースポーツ評論家の井川慶氏は「劇的なサヨナラ勝ちの分岐点は無死二、三塁を抑えきった八回表」と指摘した。

  ◇  ◇

 阪神にとっては劇的なサヨナラ勝ちとなりました。勝負を決めた森下選手の本塁打は素晴らしかったですが、分岐点は無死二、三塁を抑えきった八回表だったと思います。逆にDeNAからすると、そこで無得点に終わったことが敗因となったと言えます。

 あの場面、湯浅投手は無死二、三塁で迎えた牧選手を、初球の高めに浮いたフォークで浅めのライトフライに仕留めました。イメージは低めに、というところがあったのかなと思いますし、牧選手の打ち損じとも言えるような一球でした。

 ではなぜ抑えられたのかと言うと、これは抽象的な言い方になりますが、攻める気持ちを失うことなく腕を振れたことじゃないでしょうか。逃げの気持ちが強くなってしまい、ボールが続いてフォアボールということもありえる状況でしたが、ゾーンに投じたことで牧選手に手を出させてアウトを奪い、続く山本選手には低めに制球されたフォークで三ゴロ。代わった岩貞投手も石上選手を空振り三振で切り抜けました。

 連投の石井投手と及川投手も無失点でしたし、藤川監督の思いに選手が応えた見事な継投となりました。

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