阪神・村上 吠えた!粘投5回0封103球「ゼロで帰ってこれたので良かった」 DeNA・東との最多勝対決制す

 「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神2-0DeNA」(15日、甲子園球場)

 投手3冠に輝いた右腕の意地だった。何度も訪れた窮地をしのぎ、何度もほえた。重要なCSファイナルS初戦の先発マウンドを託された阪神・村上が、5回5安打無失点。自身に勝利はつかずとも、勝利の希望を中継ぎへつないだ。

 「ゼロで帰ってこれたので、5回でしたけど、ゼロで帰ってこれたので良かったと思います」。自分に言い聞かせるように「ゼロ」という言葉を強調した。

 初回からいきなりピンチを背負った。2死一塁から筒香への四球を与えてしまう。さらに牧が放った遊撃へのゴロを熊谷が失策。2死満塁となった。それでも最後は山本が放った三塁線への打球を佐藤輝がスライディングキャッチする好プレーを見せ、三ゴロ。仲間に助けられた。

 三回1死一、二塁からは牧、山本を決め球の低めのチェンジアップで連続三振で切り抜けた。

 四回2死二塁では蝦名をチェンジアップで空振り三振。この日最も大きく甲子園でほえた。五回は2死一、三塁で山本を三ゴロに。拳を突き上げて喜んだ。

 球数もかさみ、5回で103球。最多勝のタイトルを分け合った東との緊迫した投げ合いで役割を果たした。「慎重に行きすぎた」と悔やんだが、試合後はベンチから声援を送り続け、チームの勝利を喜んだ。

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