阪神・小野寺 後輩に負けん!森下に続いた貴重な2点目 「僕らしい汚い間に落ちるヒット」

 「JERA CSセ・ファイナルS・第1戦、阪神2-0DeNA」(15日、甲子園球場)

 泥くさく、執念でヒットゾーンへ運んだ。これが阪神・小野寺の生きる道。「本当に情けないシーズンだったんで、もう気持ちだけで打ちました」。気迫がバットに乗り移って、貴重な2点目の適時打。苦労人が大舞台で大仕事をやってのけた。

 出番は五回無死一塁での代走。リクエストを要求されるほど、けん制で際どい帰塁もあった。それでもアウトにならないのが生命力の強さ。すると六回2死一、三塁。東の外角球に食らいつき、「僕らしい汚い間に落ちるヒット」を右前へ。レギュラーシーズンを通して25年初適時打だった。

 育成契約でプロ入りして、21年に支配下登録。今年は過去5年で最少の19試合出場に終わった。打点も2年連続でゼロ。もがき、苦しんだ男が超満員の聖地で小野寺コールを浴びた。「久しぶりにこの大歓声を受けて、ここで試合に出たいという気持ちはさらに強くなりました」。これで終わりにしたくはない。

 お立ち台では森下から「よく打ったなと思いました」とイジられた。森下や佐藤輝など、後輩には負けていられない。「シリーズ男になります!」。テレビの前で見ていた猛虎打線の一員に加わる時がきた。

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