阪神・西純 打者転向プラン浮上 高校通算25本 今季右肘手術で登板なし 育成から新たな道切り開く

 阪神・西純矢投手(24)に打者転向プランが浮上していることが4日、分かった。高卒6年目の今季は「右肘関節鏡視下関節鼠摘出術」を受けたが復帰はかなわず、1、2軍とも登板なしに終わった。創志学園時代は高校通算25本塁打を記録。2022年5月18日・ヤクルト戦(神宮)でプロ初本塁打を放つなどパワフルな打撃は以前から評価が高かった。来季は育成契約となる見込みだ。

 虎に魅力たっぷりのスラッガーが誕生するかもしれない。西純に打者転向プランが浮上していることが判明した。高校時代から抜群の打撃センスを誇るだけに、大化けの可能性は十二分にある。

 日鉄鋼板SGLスタジアムで2軍練習に参加した西純は「言えることはないです」と話すにとどめた。ただ、球団関係者によると以前から球団と話し合いを続け、本人も打者転向に前向きな姿勢を示しているという。

 西純は創志学園から2019年度ドラフト1位で阪神に入団。2年目にプロ初勝利を挙げ、翌年は6勝をマーク。将来のエース候補と期待されたが、23年は5勝、24年は未勝利に終わっていた。今年1月には「(戦力外が)より現実的に感じるようになった」と危機感を募らせ、約10キロの減量に成功。春季キャンプ中には「右肘関節鏡視下関節鼠摘出術」を受けて再起を図ったが、2軍でも復帰はかなわなかった。

 そこで浮上したのが打者転向プランだ。創志学園時代は通算25本塁打。高校日本代表でも打者として活躍し、U-18W杯で本塁打王を獲得した。左翼でも強肩を生かしたバックホームを披露し、野手としての片りんも示していた。プロでも類いまれな打力は健在だ。2022年5月18日・ヤクルト戦(神宮)では高橋の150キロを振り抜き、左翼席へ豪快なプロ初アーチ。この試合は「8番・投手」で出場しており、通算49打数11安打、打率・224を誇っている。

 過去に、阪神、オリックス、日本ハムで活躍した糸井嘉男(デイリースポーツ評論家)、元横浜の石井琢朗、元広島の嶋重宣らが投手から野手に転向して成功を収めた。阪神でも藤谷洸介や一二三慎太が野手に挑戦した例がある。右のスラッガーはチームの補強ポイントで、2027年からセ・リーグにも導入されるDH制も、西純にとっては追い風となりそうだ。

 高校時代は佐々木朗希、奥川恭伸、及川雅貴と「高校四天王」と呼ばれた。来季は育成契約となる見込みだが、パワフルな打力を生かして、新たな道を切り開く。

 ◇西 純矢(にし・じゅんや)2001年9月13日生まれ、24歳。広島県出身。184センチ、98キロ。右投げ右打ち。投手。創志学園から19年度ドラフト1位で阪神入団。プロ2年目の21年5月19日・ヤクルト戦(甲子園)で初登板初先発。22年5月18日・ヤクルト戦でプロ初本塁打。通算1軍登板成績は37試合で12勝7敗、防御率3・23。同打撃成績は37試合で打率・224、1本塁打、9打点。

 【主な投手から打者転向選手】

 遠山奨志(昭治) 1985年度ドラフト1位で阪神入団。新人だった86年に8勝。ロッテ移籍後の95年に外野手転向。98年に再び投手で古巣・阪神に復帰。

 石井琢朗 88年にドラフト外で大洋入団。翌89年にプロ初登板初勝利。92年から野手に転向して最多安打2度(98、01年)、盗塁王4度(93、98~00年)。

 嶋重宣 94年ドラフト2位で広島入団。1軍登板2試合。99年に野手転向。04年に首位打者と最多安打のタイトル。

 高井雄平 02年度ドラフト1位でヤクルト入団。1年目に5勝。10年に野手転向。14年に外野手でベストナイン。

 糸井嘉男 03年度ドラフト自由枠で日本ハム入団。1軍登板がないまま06年に野手転向。オリックス時代の14年に首位打者、16年に盗塁王。他に最高出塁率3度(11~12、14年)。

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