阪神9・7V予言的中の糸井嘉男氏 勝因は「何と言っても輝の成長」 PSカギはラッキーボーイ!前川&高寺、工藤に期待

 阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(44)の「超人目線」。今回は阪神がリーグ独走Vを達成した勝因を分析し、CS、日本シリーズに向けた戦いを解説する。日本ハム時代の12年にCSのMVPにも輝いた超人が説く短期決戦の心得とは。キーマンには「ラッキボーイが出る」と予想。前川、高寺、工藤ら若虎のブレークを期待した。

 シーズンも残り1試合になりました。藤川監督就任1年目でリーグ優勝。このコラムで予想した通り9月7日・広島戦での胴上げでした。プロ野球史上最速Vの勝因は藤川監督のマネジメント力、捕手・坂本選手の献身性に先発、リリーフと圧倒的な投手力。全てかみ合った結果ですが1つ挙げるなら、クリーンアップの存在感でしょうか。

 阪神は1、2番の出塁率が高く、3番には状況に応じたチーム打撃など、あらゆる役割が求められます。森下選手はコンタクトする能力が高い打者。「しぶとい、チャンスに強い、長打がある」と今の3番打者に求められる役割に適した選手です。また、「5番に大山がいる」ことがチームに安心感を、他球団には脅威を与えたと考えます。

 そして何と言っても4番、テルの成長です。本当に誰もが認めていた彼のポテンシャルが、5年目にしてしっかりと形になった。順風満帆に見えていたようで、苦しい思いをしてきました。考えて、いろんな研究をして…海外で武者修行をした時もありました。それら全てが集約されたシーズンだと言えます。森下、テル、大山…いま他球団を見渡しても、一番脅威のクリーンアップです。

 さてCS、日本シリーズと別の戦いが始まりますね。3人の活躍は欠かせないですが、当然、これまで以上に警戒されるでしょう。カギになりそうなのは「ラッキーボーイ」。そういう若手選手が台頭してくれば、短期決戦では一気に流れができます。僕が期待するのは高寺選手、前川選手の2人。22歳コンビにはこの1年、節目、節目で熱視線を送ってきました。

 前川選手も昨年、結果を残して、今年はと思ってシーズンに入ったと思います。ここまで思うような結果は出ていないかもしれませんが、まだ22歳。いい経験でスケールアップするためにはいい時間です。2人には今年、経験させてもらった結果を大舞台で見せて欲しい。必ず今後の野球人生にもプラスになります。意気に感じて攻めること。若手の勢いを見せてもらいたいと思いますね。

 投手では工藤選手に期待します。まだ荒削りな部分はありますが、力で相手の勢いをねじふせられる投手。ハマれば球場の空気を一変させる魅力を秘めています。パ・リグは特に打力が優れた選手も多く、リーグ随一の投手力を誇る阪神でも、一筋縄にはいかないでしょう。工藤選手のポテンシャル、魅力も含めて期待する部分は大きい。真っ向勝負で強打者に挑んでもらいたいですね。

 私自身の経験で言えば短期決戦では、1打席目、1球目に集中することを意識していました。143試合のシーズンと違って、「調子が悪いな」と思う間に終わってしまう。負けたら終わる戦いでは、1打席目がダメなら、次、次…と、集中しながら切り替える意識が大事だと考えます。ただ、シーズンで結果を出した選手がそろうチーム。経験もしていますし、心配はありません。必ず日本一まで駆け上がってくれると確信しています。

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