阪神・早川はDeNAキラー CS秘密兵器の期待膨らむ2戦2勝「チャンスがもらえるかもしれないので」

 「阪神4-0DeNA」(19日、甲子園球場)

 育成入団のルーキーとは思えない堂々のピッチングが頼もしい。甲子園初先発となった阪神・早川太貴投手(25)が、6回6安打無失点で2勝目を挙げた。これでデビューから11回1/3を連続無失点となり、白星はいずれもDeNAを相手につかんだもの。今後の起用は流動的なところはあるが、CSでも“秘密兵器”として期待が集まる。

 走者を何度出しても楽しんで投げきった。早川は六つのゼロを並べ、勝利の瞬間、揺れる甲子園をかみしめた。「球場中がほとんど阪神ファンなので、勝った時の歓声も前とは違ってすごくうれしかった。今日はまず楽しもうと思って。雰囲気にのまれず自分のピッチングができたかな」。甲子園初白星を充実の表情で振り返った。

 2度のピンチを切り抜けた。初回、先頭からの連打でいきなり無死一、三塁も、まずは筒香を右飛に仕留め、続くビシエドにはツーシームで遊ゴロ併殺。六回無死一、二塁も「低めにいけばゴロを打たせられる」と、狙い通り筒香にチェンジアップで遊ゴロを打たせて併殺完成。6回6安打無失点で2勝目を挙げた。

 待ち望んだ甲子園だった。入団前、くふうハヤテ時代で「一番良かった投球だった」と話したのは甲子園で行われた5月3日の阪神戦だった。8回3安打無失点の快投。「僕にとって一番(観客が)多い試合でグラウンドも投げやすかったし、もう一回あそこ(甲子園)で活躍できたらって」。目指していた場所で夢が一つかなった。

 先発に対するこだわりもあった。「1年間やってきたのが先発だったので、先発の方が自信を持って投げられる。逆算もできる」。小学6年時に投手転向をするまで、内野手も外野手も経験してきた。それでも「投手が一番楽しい。先発がボールを投げないと始まらない中で責任感もある」。重圧も楽しさに変えられる強みを持つ。

 ポストシーズンに向けて、“ジョーカー”になり得る存在だ。藤川監督は「彼の良さが十分に出た投球でしたね」と合格点。CSでの期待を問われると「そこは皆さんにお任せします」と話すにとどめたが、ベイキラーぶりは頼もしい限りだ。

 CSファイナルSで対戦する可能性のあるDeNA相手に2戦2勝、計11イニング連続無失点。現状ローテは村上、才木、高橋、大竹、伊藤将ら盤石の陣容を誇る。それでも本番は約1カ月先。何が起こるか分からない。早川は先発要員としてだけでなく、短期決戦で重要とされる第2先発やロングリリーフなど起用の幅は広がりそうだ。安藤投手チーフコーチも「そこはおいおい考えます」と含みを持たせた。

 「自分もチャンスがもらえるかもしれないので、反省してつなげたい」と早川。CS突破の秘密兵器へ、ルーキーは次戦を見据えて牙を研ぐ。

 ◆早川 太貴(はやかわ・だいき)1999年12月18日生まれ、25歳。北海道出身。185センチ、95キロ。右投げ右打ち。投手。北海道大麻高、小樽商大、ウイン北広島、くふうハヤテを経て、24年度育成ドラフト3位で阪神入団。25年7月に支配下選手契約。プロ初登板は同年7月16日・中日戦(甲子園)でリリーフ。1軍初先発の8月27日・DeNA戦(横浜)で初勝利。

 ◆球団歴代2位タイ今季28度目完封勝利 阪神は今季28度目の完封勝利で1965年の32度に次いで、56年に並ぶ球団史上2位タイの記録に。また、早川は甲子園2試合目、先発では初登板となるこの日の試合で白星。同期の伊原も甲子園3試合目で初先発した4月20日・広島戦でプロ初勝利を挙げている。両者はデビュー戦からの安定感が特徴的で伊原はデビューから15回1/3イニング連続無失点。早川もデビューからこの日まで11回1/3イニング連続無失点中だ。なお、球団新人投手のデビューから連続イニング無失点最長は63年・中井悦雄の31回。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス