阪神・佐藤輝 ド執念犠飛!九回流れ変えた 八回まで村上の1安打のみ 敗色ムードもチーム一丸で一掃

 「DeNA2-3阪神」(26日、横浜スタジアム)

 4番の犠飛で望みをつなぎ、チーム一丸で手にした逆転勝利だ。興奮冷めやらぬ中、阪神・佐藤輝はしばし感慨に浸った。

 「最後までみんなが自分の仕事をやろうとした結果、こういうゲームになったと思います。大山さんが打ってくれたので良かったです」

 劣勢を跳ね返した。2点を追う九回。1死から中野が執念の内野安打をもぎ取ると、3番・森下が打席に立つ。「自分がホームランを打っても同点なんで。テル(佐藤輝)さん、大山さんに託そうと」。自分で決めるつもりはなかった。守護神・入江の155キロ直球にバットをへし折られながらも、打球は中前へぽとり。「何とかつなごうと思って、結果的には良かった」。納得の一打で一、三塁に好機を広げた。

 得点圏に走者を進め、球場の雰囲気は変わり始めていた。続く佐藤輝は右腕の157キロ直球をフルスイング。紙一重の当たりにベンチで悔しそうな表情を浮かべたが、貴重な中犠飛で1点を返した。4番の一打で、ゲームの流れも一変させた。

 「頌樹(村上)さんが頑張ってましたし、ケイを打ち崩せれば、もっと楽な展開だった。今回はたまたまいい形でつながったので、先発ピッチャーをしっかり打ちたい」

 森下が雪辱を誓ったように、それまで敗色濃厚の展開だった。難敵・ケイに7回1安打無失点の快投を許し、八回まで村上の1安打のみ。横浜の虎党も意気消沈モードだったが、最後の最後に歓喜を届けられた。

 「わがチームながら、すごいと思いますね」。帰りのバスへ続く通路を歩きながら、佐藤輝がつぶやいた。虎は夏バテ知らずだ。Vロードへ、まだまだ加速していく。

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