阪神・佐藤輝 復活弾マジック2減らし「16」 王超え入団5年目の通算116号 好不調の波「修正できてる」

 「ヤクルト1-8阪神」(24日、神宮球場)

 この快音が聞きたかった。みんながこのアーチを待っていた。最近3試合で無安打だった阪神・佐藤輝明内野手(26)が、四回に自身9試合ぶりとなる32号ソロを右翼に放つなど、2安打2打点で勝利に貢献した。お目覚めとなった4番の活躍に引っ張られて、13安打8得点と快勝。マジックは2つ減って16となり、猛虎が2年ぶりの栄冠へ突っ走る。

 高々と舞い上がった打球は神宮の右翼席に突き刺さった。佐藤輝は苦しみから解放されたかのように、ゆっくりとダイヤモンドを一周。「初球からいいスイングができました」。もう心配することはない。18打席ぶりの快音は、虎の4番らしく豪快な一発で決めた。

 1点リードの四回。先頭で奥川の初球スライダーを強振した。「積極的にと思っていました」。ガツンと捉え、滞空時間の長い打球は吸い込まれるようにスタンドへ。左翼席からは待ってましたとばかりに大歓声が起こる。8月10日のヤクルト戦(京セラ)以来、自身9試合ぶりの32号ソロとなった。

 23日は4打席連続三振を含む、5打数無安打。今季3度目の3試合連続無安打と、不振に陥っていた。試合後には自らの打撃のズレを認め、言い訳はせず。一夜明け、試合前練習のティー打撃では気分転換からかバットの芯を持って、グリップで白球をコンタクトすることから開始。明るい表情からは、一晩寝たことで切り替えたことが伝わってきた。

 今季は好不調の波をできるだけ減らすことが最大のテーマ。「悪いなりには少しずつ修正できてるのかなとは思いますけど」。この“悪いなり”がポイント。一年中、100%の出来でいられるわけがない。でも32本のアーチを放ってきた。

 チームを支える坂本は言った。「弱点は誰だってあると思うよ。でも、今年のテルは球が甘くなった時、確実に仕留められるようになったよね」。簡単なようで難しいこと。この3連戦は厳しい内角攻めもあったが、甘い球は逃さなかった。

 シーズン32号は球団単独14位。入団5年目での通算116本は王貞治の記録を超えた。八回2死二塁ではトドメの適時打。「良かったです」。1本で終わらず、4試合ぶりのマルチ安打になったことが完全復活を印象づけた。

 巨人が敗れ、優勝へのマジックは2つ減って、16になった。今季最多の貯金27。「最後まで変わらずにできたらいいかなと思います」。足踏みする気配はない。佐藤輝の目覚めの一撃とともに、優勝へのカウントダウンが始まった。

 ◆入団5年目までの本塁打数で王さん超え 佐藤輝が今季32号。プロ1年目の2021年からの通算本塁打が116本(24、20、24、16、32本)となり、王貞治の115本(1959年から7、17、13、38、40本)を超えた。また、球団の個人本塁打数でも山内一弘の31本(64年)を抜き、単独14位となった。

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