阪神小休止も心配無用 近本1年目から7年連続130安打 長嶋以来2人目の快挙後も止まらず3安打で打率・295

 「巨人6-5阪神」(15日、東京ドーム)

 阪神は4点リードを守れずに逆転負け。優勝へのマジックは「26」で足踏みとなった。近本光司外野手(30)が初回に左前打を放ち、1964年の巨人・長嶋茂雄以来となる1年目から7年連続130安打を達成。3安打を放って打率・295とし、首位打者争いでリードを広げたが、勝利には結びつかなかった。16日・巨人戦(東京ド)は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」。ミスターを弔う快音で悪い流れを断つ。

 悔しさ募る逆転黒星となった。優勝マジックも減らせず足踏み。それでも近本の仕事ぶりはさんさんと輝く。長嶋さんに肩を並べる一打を皮切りに、2点適時打も放って3安打猛打賞。「まあしっかり得点に絡めましたけど、最終的に勝てなかったので」。球史に刻む偉業を手放しで喜ぶ気にはなれなかったが、好感触を両手に残した。

 プレーボール直後に大記録のHランプをともした。山崎の2球目、直球をはじき返して、左前へ運ぶ。巨人・長嶋以来、2人目となるルーキーイヤーから7年連続130安打を達成した。虎党興奮の金字塔も、近本にとっては通過点。そう印象づけるかのように、一塁上で筒井コーチと静かにグータッチを交わした後、いつもと変わらぬ様子で防具を取り外した。

 長嶋さんとは浅からぬ縁がある。入団1年目の安打数は、長嶋さんの153安打を超える159安打をマーク。昨季はプロ6年目以内の安打数で、長嶋さんの926本を超えた。

 今年6月3日に訃報に触れた際には、偉大な存在への畏怖の念を示した。「自分の野球人生の中ではすごく大きな人。毎年ね、その記録に、ヒットっていう部分だけですけど、挑めるっていうのはモチベーションにもなってるので」。ミスターと比較されることも多い現実に、敬意を込めて向き合っている。

 記念打一本で終わらせないのが近本らしさ。大山の先制2ランで、先制した後の四回2死二、三塁だった。フォークを捉えて三遊間を破ると、小幡の好走塁にもアシストされて、2点適時打となった。「(先制弾の)後でしっかり点を取れたので良かったです」。七回は先頭で3番手・石川のグラブをはじく内野安打。3度の快音を敵地に響かせ、打率・295に上げてリーグ首位打者をキープした。

 16日の巨人戦は「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催される。天国から見守る“プロ野球の象徴”へ、胸を張れる活躍を2試合連続で届けたいところだ。「明日は明日なんで。今日は今日なんで」。浮かれず、おごらず、クールに-。猛虎のリードオフマンはいかなるときも、己の信念を崩さずプレーする。

 ◆史上2人目の新人から7年連続130安打 近本が3安打を放ち、今季132安打。プロ1年目の2019年から7年連続で130安打以上となり、長嶋茂雄が58~64年にマークした記録に並んだ(長嶋は最終的に69年まで12年連続)。近本は昨季、6年目までの通算安打で歴代1位だった長嶋の926安打を超える933安打。現時点でも通算1065安打で、長嶋の7年目までの1070安打を超えるペースでヒットを量産している。

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