阪神 49年ぶり5戦連続逆転負け 死闘5時間10分力尽く 「どんどん勝負」藤川監督がマウンドでゲキも

 10回、森下は石原の打球を捕れず
 9回、自らマウンドに向かい、ナインに声を掛ける藤川監督(右)
 10回、サヨナラ打を放った石原(手前)を背にし、うなだれる森下(撮影・田中太一)
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 「楽天5-4阪神」(14日、楽天モバイルパーク)

 悪夢にうなされる夜が止まらない。阪神はサヨナラ負けで今季初の5連敗。1976年以来49年ぶりとなる5試合連続逆転負けと、負の連鎖を断ち切れなかった。逆転負けは両リーグワーストを更新する13度目となり、交流戦は5勝6敗と借金生活に転落した。いつ止まるのか分からなくなってきた泥沼の連敗地獄。一日も早く抜け出せ-。

 無情の雨が手負いの虎に打ちつける。延長十回2死一、二塁、左前への打球にチャージをかけた森下がそらして、今季最長5時間10分に及んだ死闘に終止符が打たれた。今季3度目のサヨナラ負けで、今季ワースト5連敗。5試合連続逆転負けは球団ワーストタイで、76年以来49年ぶりと屈辱にまみれた。それでも藤川球児監督が弱音を漏らすことはなかった。

 ただ前だけを向いて、「明日ですね。とにかくしっかり」と次戦を見据えた。「ファンの方もしっかり応援してくれている中で、選手たちも必死にやっていますから。明日、しっかりみんなで頑張ると。それに尽きます」。今季最短20秒で終わった会見に、勝利への渇望をにじませた。

 三回に豊田の2点適時打で先制。4試合連続で2得点以下だったが、六回には中野の一打で3点目も挙げた。悪い流れを断ち切るにふさわしい試合展開が暗転したのは七回だ。

 東北地方はこの日梅雨入りし、試合前から断続的に降り続いた雨の勢いが強まる。マウンドには土が入れられて整備されたが、3番手の桐敷が劣悪な状況下で粘れない。リリーフ登板で自身初の2試合連続失点。自身の失策も絡んで3点を奪われ、逆転を許した。

 土壇場の九回に代打・糸原が1死満塁から押し出し四球を選んで同点に追いつくと、その裏には漆原が登板。先頭の浅村に四球を与え、犠打を決められ1死二塁のピンチを招く。続くゴンザレスへカウント1-1となったところで、藤川監督が今季初めて投手交代以外でマウンドへ向かった。

 「どんどん勝負していくように」-。直接のゲキに気持ちを奮い立たせた漆原は、無失点で1イニングを投げ切った。指揮官が示した勝ちへの執念。だがそれも、サヨナラ負けという残酷なシナリオを書き換えるまでには至らなかった。

 これで楽天戦は6連敗。最大14まで積み上げていた貯金は、あっという間に1桁にまで減った。ビジター6連戦を全敗で甲子園に帰るわけにはいかない。やまない雨はないと信じて、仙台でのカード最終戦で一矢報いる。

 ◆約半世紀ぶり屈辱…5戦連続逆転負け 阪神の5試合連続逆転負けは1976年8月以来、49年ぶりで球団ワーストタイ。さらに、この日で12球団ワーストとなる今季13度目の逆転負け。76年は8月1日・巨人戦から同6日・中日戦までで、7月29日・ヤクルト戦からスタートした9連敗中に記録。

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