糸井嘉男氏がズバリ指摘 阪神の好調理由は森下&輝 3、4番打順入れ替え可能にした大山の存在も大きい

 佐藤輝(左)と大山
 「5番・大山」の存在が森下、佐藤輝の好調ぶりを支えている
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 阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(43)の「超人目線」。好スタートを切った3、4月の戦いから首位を走るチームに迫る。3、4番の打順を入れ替えた藤川監督の決断には、背景に精神的な支柱として大山の存在があると分析。さらに5月のキーマンには前川を指名。「もっと派手に活躍できる」と期待した。          

 首位を走る阪神は3、4月と、開幕から好スタートを切りました。強さ際立つ試合だけではなく、もったいないな…と思う取りこぼしもありました。ただ、全体的にはチームとして戦う形が見えています。要因を挙げるなら当然、打者では森下選手に佐藤輝選手、投手では村上選手。軸になる選手の活躍が結果につながっていると言えます。

 藤川監督は雨天中止になった4月13日の中日戦から3番と4番を入れ替えました。数字上で見てもハッキリと分かるように、この決断が勝敗に直結しています。近本選手、中野選手が1、2番を担う阪神では、テルが3番なら左が3人続く打線となり、私自身も今の方が相手にも脅威だと考えます。

 現状、上位の2人が塁に出る確率が高く、3番には状況によってチーム打撃など、あらゆる役割が求められています。森下選手は簡単に空振りをしませんし、進塁打などボールにコンタクトする能力が高いです。「しぶとい、チャンスに強い、長打がある」と今の3番打者に求められる役割に適した選手。当然、4番も打てる力はありますが、打撃技術があるからこそできている打順です。

 また、藤川監督は開幕前に「佐藤選手の活躍とともに、シーズンを進めていきたい」と、3番に起用するテルをキーマンに指名しました。自分のスイングをしてほしいという思いからでしたが、阪神の並びでは4番として打席に立つことで、「走者をかえす」ということに集中できます。4番としてどっしりと迷いなく、スイングできていることが好結果につながっている要因だと考えます。

 ここで強調しておきたいのが、藤川監督の決断を可能にする存在。そう、大山選手です。「後ろに大山がいる」という安心感がなければ、シーズン序盤の3、4番入れ替えは難しかったと思います。まだ決して本調子とは言えませんが、5番打者の存在感が打線を支えています。森下、テル、大山…いま他球団を見渡しても、一番脅威のクリーンアップでしょう。

 開幕から一カ月。ゴールデンウイークの連戦を終えると、選手は疲労が出始める時期でもあります。私は現役時代、少しランニングやダッシュの量を増やすなど、あえて意識的に練習量を増やしていました。わずかにスイングが鈍ったり、一歩目のスタートが遅れたりで、結果が大きく変わるのがプロの世界。選手個々で調整法はあると思いますが、キレを落とさないトレーニングで乗り切ってほしいと思います。

 ここから交流戦までの3週間が序盤のヤマ場になるでしょう。このまま3、4、5番を中心にクリーンアップが打ってくれるのが一番ですが、どうしても好不調の波は出てきます。3人の状態が落ちてきた時に、前後の打者がどれだけカバーできるか。その役割が大事になってくるので、そこにポイントを置いてみたいと思います。キーマンを挙げるなら前川選手。もっと派手に活躍できると思いますし、それだけのポテンシャルを秘めた選手。期待しています。

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