【藤田平氏の眼】両リーグ10号一番乗りの阪神・佐藤輝 イチローのように軸足を使えるようになってきた
「中日3-2阪神」(1日、バンテリンドーム)
阪神・佐藤輝明内野手(26)が五回、両リーグ10号一番乗りとなる左越え10号ソロ。阪神の左打者で、両リーグ最速の10号到達は球団史上初の快挙となった。チームは中日に競り負けて今季初の同一カード3連敗、今季ワーストの4連敗を喫した。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は佐藤輝について「軸足をイチローのように使えるようになってきた」と称賛した。
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佐藤輝はだいぶバッティングというものが分かりだしたなという印象があるね。
五回の本塁打は、カウント(2-1)的に内角に突っ込みにくい場面。佐藤輝はしっかり読んで外角球に狙い球を絞っていた。配球的には直球か変化球かまでは絞れない局面ではあったが、直球に対してよく我慢ができていた。今年は打席によって狙い球を変えられるようにもなっているのも成長のポイントだ。
極端に言うと、軸足をイチローのように使えるようになってきた点が、ここまで本塁打を量産できている理由のひとつ。これまでの佐藤輝といえば、投手方向に体が流れ、前のめりになって打ちにいく形が多く、軸足となる後ろの左足をうまく使えていなかった。
今年はというと、打つ時に軸足でしっかり回った後、その左足を投手方向に引きずるような形が見て取れる。イチローの現役時代がそうであったように。佐藤輝の場合はイチローほど大きくは動かないけど、あの動きが加わることによって打球を押し込み、力を与えることができるし、飛距離も伸びていく。
九回の中前打にしてもそうだが、今年はボールを上からたたけるようにもなってきている。これまでは下からすくい上げるようなバットの軌道を描いていたが、今はレベルに近いスイング。打ち損じの確率が格段に減ってきている理由もそこにある。
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