阪神・高寺 前川に続く!MVPからブレーク「僕も乗りたい」ユーティリティ守備&4割近い打撃 宇宙人キャラで暴れる!
「阪神春季キャンプ」(28日、宜野座)
阪神は2月28日、宜野座キャンプを打ち上げた。藤川球児監督(44)は、野手は高卒5年目の高寺望夢内野手(22)、投手は同3年目の門別啓人投手(20)をMVPに選出。高寺は今春、ユーティリティープレーヤーを目指し、自身初の一塁と外野守備にも挑戦した。打撃でも実戦8試合で18打数7安打、打率・389(2軍戦も含む)。沖縄でのアピールでとどまることなく、プロ初の開幕1軍入りを狙う。
肌は黒く焼け、手には無数のスイングと複数のグラブで球を受けた感触が残る。1カ月前とは目つきも顔つきも、自身の立場も大きく変わった。野手のMVPは高寺。「そう言っていただいて、うれしく思います」。キャンプの疲れが一気に吹っ飛んだかのように、ニコッと笑った。
22年以来、3年ぶりの宜野座スタート。覚悟は本物だった。指揮官のユーティリティー指令に応え、早出特守は内野、個別練習は外野で猛特訓。「外野は本当にゼロからだった。筒井コーチに教えてもらって、うまくなっていると思います」。中盤からは一塁ミットを借りて、さらに起用の幅を広げた。
天性の打撃センスも光った。2軍戦を含む8試合に出場し、18打数7安打で打率・389、4打点。「冬の間は出力を上げるためにやってきた。それがいい形で練習からできたと思う」。昨季はウエスタンで最多安打を記録していて、1軍でも通用するポテンシャルはあることを証明した。
キャンプの最後は手締め。マウンドを中心に輪を作った。高寺は三塁付近にいたが、スタッフに促されてちょこちょこと、ど真ん中の藤川監督の横へ。「なんで来たんだよ」とイジられたが、MVPの“指定席”だった。指揮官はグラウンド内外での性格の変わりようから、「ちょっと宇宙人ですけどね。糸井っぽいところがありますね」と表現。それは本人も自覚していた。
「グラウンド以外では結構ふざけてるんで。ふざけた分、グラウンドではしっかりやってる」
昨春キャンプの野手MVPには前川が選ばれ、シーズンでも飛躍を遂げた。「そういう流れがあるなら、僕も乗りたいです」と高寺。1軍出場は22年から遠ざかっている。「この2年、本当に悔しかった。その分を今年、全部出せるようにしたい」。“藤川チルドレン”が燃えている。
ここからは結果が求められる。複数ポジションも「全てのポジションで1軍のレベルに達するようにやっていきたい」と油断はない。打撃でも「1打席を大事にして、結果を残していけるように」と鼻息は荒い。「まずは開幕1軍というところは目指している」。佐藤輝や中野、村上、石井と同期で、“花の20年度ドラフト組”。春の陽気の沖縄で先輩たちに続けと、開花宣言だ。
◆高寺望夢(たかてら・のぞむ)2002年10月17日生まれ、22歳。長野県出身。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。内野手。20年度ドラフトで阪神から7位指名。22年6月のソフトバンク戦で1軍初出場。1軍では通算8試合出場で打率.130、0本塁打、2打点。24年は2軍で123試合出場、打率.288、0本塁打、35打点。124安打でウエスタン最多安打を記録。
関連ニュース





