「阪神紅白戦、白組３－５紅組」（９日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム）

　阪神・藤川球児監督（４４）が紅白戦で好投した漆原、伊藤稜、松原の３人を高く評価した。それぞれ１回を無失点。具志川キャンプ組３人の今季にかける思いが指揮官にヒシヒシと伝わってきた。

　「危機感でしょうね。姿勢と没頭を（テーマに）掲げると、落ち着いているのか、荒々しくてもいいからやったやろうという思いなのか、一瞬で伝わってきますから」

　最初に名前を挙げた漆原は一昨年の現役ドラフトで加入。昨季３８試合に登板したが、今春は具志川組スタート。指揮官は「ゲームの中盤以降で投げたピッチャーでは１人違った」と格の違いを実感。「その中で輝いていた」とうなり、第３クールから佐藤蓮に代えて宜野座組に合流させることを明言した。

　育成４年目左腕・伊藤稜は直球にキレがあり、最速１５４キロを計測。育成２年目の松原も持ち味を発揮し、アピールに成功した。「オープン戦には（１軍に）帯同できるんじゃないかと思います。もう見たら分かるんで。ボールがいいので」。キャンプを終えても、チャンスを与える考えだ。

　現在、支配下登録選手は６６人。かねて「（残り）３枠だったらリスクマネジメントしなければいけない。４（枠）ある。上げるつもりでいる」と、開幕までに支配下に昇格させる可能性を示唆しており、キャンプ第２クールを終えて競争はさらに激化している。

　◇伊藤　稜（いとう・りょう）１９９９年１１月８日生まれ、２５歳。愛知県出身。１７８センチ、８５キロ。左投げ左打ち。投手。中京大中京高、中京大を経て２１年度育成ドラフトで阪神から１位指名され入団。プロ入り後は左肩のけがなどもあり、２２、２３年は実戦での登板はなし。２４年はウエスタン７試合で０勝１敗、防御率２０・２５。

　◇松原　快（まつばら・かい）１９９９年８月２４日生まれ、２５歳。富山県出身。１８０センチ、９１キロ。右投げ右打ち。投手。高朋高、ロキテクノ富山、富山ＧＲＮサンダーバーズを経て、２３年度育成ドラフトで阪神から１位指名され入団。２４年はウエスタンで３３試合に登板して０勝１敗、防御率４・３１。