【中田良弘氏の眼】遅かった打線の仕掛け…積極性も必要
「巨人1-0阪神」(12日、東京ドーム)
阪神が今季15度目の完封負けで、自力優勝の可能性が消滅した。初回に佐藤輝の悪送球で先制点を献上。先発の西勇は自責0だった。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「積極性も時には必要」と打線の奮起を促した。
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阪神はもったいない負け方だったよね。初回に守備で痛いミスが出てしまった。2死二塁から岡本和の三塁線の打球を捕球した佐藤輝が、一塁にワンバウンドの悪送球をして大山が後ろにそらして先制点を献上した。
佐藤輝の送球も中途半端と言えば中途半端だったし、大山も捕れただろうし。あの場面は捕ってほしいところだったね。どっちもどっちというところだった。味方のエラーで先制点を許した西勇は、ガタガタすることも考えられたけど引きずらなかったね。よく粘っていた。
今日は打線だよね。山崎伊に、いいピッチングをされた。岸田のリードもさえていたんだと思う。ただそれだけではない。打線の仕掛けが遅かった。打者がファーストストライクを振っていなかったように積極性を欠いていた。1点を追う八回2死二塁は近本がバルドナードのファーストストライクの変化球を見逃して、空振り三振に倒れた場面もあった。
ファーストストライクは力強いスイングができる状況だし、空振りでもファウルでもいいんだ。ピッチャーにプレッシャーをかけられる。ファーストストライクを振るとバッテリーからすれば『この球を待っているのかな?』『あの球を待っているのかな?』と、いろいろ考えさせられるもの。ファーストストライクを振り切れていないから簡単に追い込まれたり、打ち取られたりする。打席に立った際の積極性も時には必要ということだよ。
自力優勝の可能性は消えたけど、目の前の試合をしっかり勝っていくしかないよ。
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