【岡義朗氏の眼】阪神・前川 真のレギュラーとなるために必要なものは?終盤に代えられない選手になってこそ
「ヤクルト5-4阪神」(6日、神宮球場)
阪神は岩崎が村上に打たれてサヨナラ負け。首位広島とのゲーム差が2・5に広がった。1点をめぐる攻防でデイリースポーツ評論家の岡義朗氏が指摘したのは一見、消極的に見える前川右京外野手(21)の走塁。「真のレギュラーを取るためにはもっと走塁意識を高めること」と語り“チャレンジ精神”を強調した。
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阪神は先手を取りながら競り負けたが、一つ指摘しておきたいシーンがある。
1-0で迎えた二回無死で一塁走者だった前川の走塁だ。木浪にセンターへ抜けるヒットが出て「一、三塁の状態を作れる」と思ったが、二塁手前でスピードを緩め一、二塁。その後、梅野が三ゴロ併殺打。才木の二ゴロで無得点に終わった。
ここはたとえアウトになってもいいというぐらいの気持ちで、果敢に三塁を狙ってもらいたかったね。
理由は2つ。打球が右中間寄りに飛んだことで、丸山の捕球姿勢から送球へ移るのに多少のタイムロスがあること。そして8、9番へ下がっていく打順だ。
恐らく自分の足と大事に攻めたいという考えから自重したのだろうが、タイミング的には俊足とは言えない選手でも三塁を奪える場面だった。
大切なのは打球判断と次の塁を取るという心構え。そして勇気だ。三回に先頭打者で出塁した近本は中野の初球、二盗を決めた。たとえ“盗塁王”でも走るには勇気がいるものだ。
前川に近本と同じような盗塁技術を求めるつもりはないが、今後は好走塁と好判断が評価される選手を目指さないといけない。そうやって徐々にベンチの信頼を得るようになっていくものだ。
挑戦する意欲と失敗を恐れない勇気、そこから得る教訓は財産になる。そのためにはまずチャレンジすること。
この日はヤフーレから2安打しながら八回の打席で代打を送られた。投手が左の山本だったことでベンチに引っ込んだ。
(その後、代打の渡辺に対し、ヤクルトは山本から木沢へスイッチ)
ともあれ、まだまだレギュラー選手とは呼べない立場。真のレギュラーとは終盤で代えられない選手のことだ。
ベテランならいざ知らず、前川はバリバリの若手。そのためにも、まずは走塁ですよ。今後は挑戦してこそ得られる経験を意欲的に積んでいってほしい。
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