阪神・渡辺 輝と入れ替え今季初昇格即スタメン初打席初H 好守も魅せた「今日が僕自身の開幕」

 2回、中前打を放つ渡辺(撮影・山口登)
 3回、中田の強烈な打球を好捕する
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 「中日0-1阪神」(15日、バンテリンドーム)

 ヒーローにはなりそこねたが、確かな感触を残した。今季初昇格を果たした阪神・渡辺諒内野手(29)が、「6番・三塁」で即スタメン。初打席の初球で快音を奏でて、「今日が僕自身の開幕だと思ってやっていくしかない」と決意表明した。

 2軍落ちの佐藤輝に代わっての“緊急昇格”。慌ただしいスケジュールにも、準備に抜かりはなかった。「ファームでもサードをやったり。ファーストがちょっと多かったですけど、そういうふうに起用してもらってたので、すんなりいけました」とスターティングラインアップに名を連ねた。

 二回1死で迎えた今季初打席、左腕・小笠原と対峙(たいじ)した。「ファーストストライクから振っていこうという気持ち」を体現し、初球から積極的にバットを出した。外寄りの142キロ直球をとらえると、打球は右中間へ。「いいところに飛んでくれたので、一本出たというのは良かったです」。シーズン初安打に続いて、守備でも光った。六回2死二塁、三遊間の鋭い当たりを、倒れながら好捕して先制点献上を防いだ。

 移籍2年目、春季キャンプは1軍で過ごしたが、3月に入って2軍降格となった。日本ハム時代から「直球破壊王子」というニックネームを背負うだけに、変化球撃ちが課題のひとつ。鳴尾浜では「しっかりと下半身にためがないと、変化球は打てない」と肝に銘じて、バットを振り続けた。「練習では悪くないので、練習のように打てれば結果がついてくる」と“変化球破壊”の自信を深めつつあった中、1軍でまずは得意のストレートをはじき返して、最初のHランプをともした。

 両軍無得点の九回には2死二、三塁の絶好機で打順が巡ったが、マルティネスに追い込まれた後、153キロ直球に反応できずに終わった。「まだ始まったばかり。今日、チャンスで打てなかったので、そういうところでしっかり打てるように」。2軍での悔しさをバネに出遅れを取り戻して、猛虎の勝利へ尽力する。

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