阪神・前川右京 開幕初スタメンで戸郷撃ち 零敗に光「今日だけじゃないと思うので。また明日も試合」

 2回、戸郷(20)から左前打を放つ前川右京=東京ドーム(撮影・中田匡峻)
2回阪神1死、左前打を放ち喜ぶ阪神・前川右京=東京ドーム(撮影・金田祐二)
 2回、左前打を放った前川右京。後方は智弁学園の先輩で一塁手の岡本和(撮影・中田匡峻)
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 「巨人4-0阪神」(29日、東京ドーム)

 阪神・前川右京外野手(20)は緊張感漂う中でも自分のスタイルを見失わなかった。「6番・左翼」で初の開幕スタメンに抜てき。超満員で埋め尽くされたドームに快音を響かせ、守備でも虎党を沸かせて敗戦の中に若き力が芽吹いた。

 「緊張していたら体が固まるのもあると思うので。自分から手を出して、物事を進めていこうかなという感じで入りました」

 二回、1死走者なしで今季第1打席目を迎えた。巨人の先発・戸郷と対峙(たいじ)。カウント2-2からのカーブに体勢を崩されながらも、うまく合わせて打球は三遊間を破った。いきなり飛び出した今季初安打。「追い込まれてからちゃんと反対方向に対応できた。緊張してたんですけど、その中で少しは結果が出てよかった」と納得の一打でスタートした。

 守備でも懸命にプレー。ビッグプレーが飛び出したのは二回裏。先頭の岡本和が放った左翼後方への大飛球をすぐさま落下地点に入り、捕球した。その後、フェンスにぶつかるも、ボールは放さない。抜けていれば長打になっていた打球を好捕し、先発の青柳からはグラブをたたいてねぎらわれた。

 野手MVPに選ばれた今春キャンプ。日々の取り組みの成果は本番でしっかりと発揮された。打撃に磨きをかけるだけでなく、課題とする守備にも向き合った。昨年まで主に守っていた右翼ではなく、左翼での好プレーにも「今日だけじゃないと思うので。また明日も試合がありますし、もっともっと対応できるように頑張ります」と気持ちを引き締めた。

 奮闘するもチームは完封負けを喫した。ただ、シーズンはまだ始まったばかりだ。「今日は今日。明日は明日。今日良かったこと、悪かったことをしっかりホテルに帰ってちゃんと考え直して、また明日入りたい」と前川。目の前の一戦に全力を注ぎ、チームの勝利のために持てる力を出し切る。

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