阪神・前川 開幕スタメン決定 岡田監督明言「右やったら使うよ」 16年の横田以来の高卒3年目抜てき「頑張ります」
「オープン戦、阪神4-2オリックス」(23日、京セラドーム大阪)
阪神の前川右京外野手(20)が29日の開幕戦・巨人戦(東京ド)で自身初の開幕スタメンに抜てきされることが決まった。岡田監督がオリックス戦後に明言した。この日は決勝の先制打を含む、4打数2安打1打点と活躍。強打が光る若武者が激しい外野の定位置争いから一歩抜け出し、高卒3年目では2016年の横田慎太郎以来となる開幕スタメンに名を刻む。
追い込まれても焦りはない。前川は状況を頭に入れながら、どっしりと構えた。左へ右へ、希望の快音を奏でる。「ボールに逆らわずに、しっかり芯で打てたので良かったかなと思います」。20歳の落ち着きとは思えない。自らのバットで開幕スタメンをガッチリとつかみ取った。
初回1死一塁。カウント2-2からカスティーヨの外角147キロ直球を振り抜いた。打球は左中間を真っ二つ。一気に一走・中野を本塁へ迎え入れた。二塁上では三塁ベンチの盛り上がりに応えるように、頭上で5度の拍手。満員の左翼席も総立ちにさせた。
追い込まれてからはバットを短く持つことも脳裏によぎった。ただ、結果的には強振で長打。「ここはちゃんと振りにいく場面だな」。当てにいって併殺だけは避けたいと打席内で判断。自身のスイングを徹底し、先制の一打につなげた。
四回無死でもカウント1-2から助っ人右腕の直球をガツン。美しい角度で白球が放たれると、右中間フェンスに直撃。「ドンッ」という音に続くように、歓声が巻き起こった。それでも、満足はしない。「悪いところは修正して、いいところは継続していけるように」。2本の二塁打よりも凡打の内容を振り返ることに言葉数が増えた。
試合後に岡田監督は開幕スタメンを明言した。「もう右やったら前川使うよ。そんなん、打つんやから、使ったら」。29日の開幕戦は東京ドームで伝統の一戦。巨人は戸郷の先発が決定している。高卒3年目での抜てきは16年の横田以来、8年ぶり。「頑張ります」と若虎は短い言葉に思いを込めた。
指揮官は連覇に向け、新戦力の台頭を求めていた。その期待に応え、前川は春季キャンプで野手MVPを獲得。オープン戦でもチャンスを逃さずに打率・302とアピールを続けた。「ちゃんと準備をして入っていけてることが一番」。連覇への絶対的なピースとなるかもしれない。
試合後は体のケアに時間を割き、1時間以上が経過してからタクシーに乗り込んだ。開幕スタメンを伝え聞いても、表情を変えることはない。「今までと変わりなく、準備をして試合に入っていきたいなと思います」。開幕戦が最大目標ではない。何度も何度も右京コールを響かせるために、ここからが勝負だ。
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