阪神・森下 赤星塾で開眼“はじめの3歩” 走守に生きる低いスタート 「つかんだものはある」
「阪神春季キャンプ」(3日、宜野座)
阪神の森下翔太外野手(23)が3日、臨時コーチとして招かれた球団OBの赤星憲広氏(47)から走塁の極意を伝授された。スタートを切る際、すぐに上体が起きてしまうことが課題。最初の3歩を意識付けられ、徹底的に技術をたたき込まれた。目標の2桁盗塁に向け、走塁改革で収穫と自信を手にした。
強い日差しが照りつけようが、雨が降ろうが関係ない。森下は何度も何度もスタートを切った。「ザッ、ザッ」。黒土とスパイクが擦れる音がする。赤星氏の指導を受けて、低く低く次の塁を狙った。「一つ、自分の中でつかんだものはあるかなと思います」。一日限りの特別授業で大きな財産を得た。
課題は自分でもわかっていた。走塁に限らず、守備の一歩目でも上体が起きてしまう。「無意識でやってると自分のものが出てしまう」。改善するには、意識を変えるしかない。この日はスタート位置からラインが引かれ、最初の3歩を低く切ることを徹底。動画も撮って、現状を確認することもあった。
上体を低く保ってスタートを切ることで、スピードは変わってくる。「3歩が切れてしまえば、加速してトップスピードに乗る。よりスタートダッシュに心がけたい」。最初の3歩が盗塁の成功はもちろん、守備でもあと一歩のプレーに直結するという。
午前はベースランニング、午後はフリー打撃中の走塁練習で赤星塾が開校された。全体練習が終わっても、個別練習で再履修。大雨で屋外の練習は中断となったが、室内練習場で特訓は続行。練習前に名指しで強化指定されただけあって、走塁漬けの一日となった。
意識を持ち続ければ、必ず結果に結びつく。「動画を見ていても姿勢が良かったですし、自分の中でも今は良かったなと思った時があった」。継続は力なり。練習を重ねて、体に染みこませることが必要だ。
「普通にやれば10個はいける」と赤星氏。目標とする2桁盗塁は通過点だと太鼓判を押した。近本、中野の1、2番コンビに加え、森下にも走れるというイメージがつけば脅威。「集中できなくなる。バッテリーからしたら嫌」と臨時コーチ。森下は「走れれば走れるほどプレッシャーもかかる。2桁盗塁?走れる自信は持ってますね」と収穫いっぱいの表情を浮かべていた。
まずは、紅白戦やオープン戦で挑戦する。「サインが出れば、絶対に走ろうかなと思っています」。昨季はわずか1盗塁に終わった。今季は近本と中野に続く、快足バットマンとして球団史上初の連覇に導く。
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