阪神の顔や近本 球団現役トップ3億2000万円イチロー超え 黄金期担う存在「連覇できるだろうし、強い時期は続く」
阪神の近本光司外野手(29)が9日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、1億5000万増の3億2000万円で更改した。6年目を迎える外野手としては1997年のオリックス・イチロー(2億6000万円)らを超えてNPB史上最高年俸となった。球団史上初の連覇が懸かる来季へ、個々のレベルアップを訴えた。(金額は推定)
名実ともに猛虎の顔となった。近本が一気に3億円の大台を突破。西勇の3億円を超えて現役では球団最高年俸に躍り出た。球団からの最大限の評価に「ありがとうございますって感じです」と笑顔で感謝を述べた。
8日に東京都内で行われた本社主催「祝勝パーティー」では集まった約450人の虎党の前で「上がり幅は一番でした。僕もにやけました(笑)」と下交渉の手応えを明かしており、予告通りの大幅昇給を勝ち取った。
6年目での3億円到達は史上最速タイ(9人目)で外野手初。オリックス・イチローの2億6000万円(1997年)、ソフトバンク・柳田の2億7000万円(2016年)、オリックス・吉田正の2億8000万円(21年)などを上回り、6年目の外野手としては史上最高年俸となった。さらに球団の生え抜き外野手としても赤星の2億5000万円(09年)を抜く歴代最高額と、記録的な更改となった。
5年目の今季はリードオフマンとして虎をけん引した。18年ぶりのリーグ優勝に加え、オリックスとの日本シリーズでは打率・483でMVPに輝くなど38年ぶりの日本一に貢献。「その一員になれた、その時のメンバーだったのは良かった」と充実感を漂わせた。
死球による肋骨骨折で離脱もありながら、129試合で143安打、打率・285の成績を残した。28盗塁で2年連続4度目の盗塁王を獲得。83得点は岡本和(巨人)と並んでリーグ最多で、54打点、67四球、12三塁打、出塁率・379はいずれもキャリアハイだった。ゴールデングラブ賞とベストナインは3年連続3度目の受賞。「自分の中で新しい一面が見られた」と1年を振り返った。
交渉の開始時間から1時間13分を経過して、会見場に現れた。「個人として話した時間なんて5分だけ」と明かし、球団からの編成や育成方針の説明に熱心に耳を傾けたという。今後迎えるであろう「黄金期」の中核を担う存在として、球団の期待も感じている。
球団初の連覇が懸かる来季へ「連覇できるだろうし、強い時期は続くんじゃないかな」と力強い言葉を並べた。一方で「現状では続かない。個々の能力が上がっていかないといけない」と続けた。選手一人一人の向上が“アレンパ”への王道だと、近本は知っている。
◆外野手最速更新!プロ6年目で3億円!! プロ6年目での3億円到達はNPB史上最速タイで9人目。外野手では近本が初となった。プロ6年目外野手の歴代年俸2位は2021年のオリックス・吉田正尚(大卒)で2億8000万。オリックス・イチローは、高卒6年目の97年が2億6000万円で歴代4位タイ。なお、これまでの球団最速2億円到達は04年・井川慶(2億1000万円)の7年目。3億円は12年・鳥谷敬(3億円)の9年目。また球団生え抜き選手の最高年俸は藤川球児と鳥谷敬の4億円。生え抜き外野手は、これまで赤星憲広の2億5000万円だった。
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