阪神・近本 偉業の通算767安打 新人から5年目以内最多タイ&長嶋茂雄以来の12三塁打
「阪神タイガース4-3読売ジャイアンツ」(20日、甲子園球場)
また一つ、球史に名を刻んだ。阪神の近本光司外野手(28)が三回に左中間三塁打を放ち、新人から5年間で通算767安打とし、歴代1位の巨人・長野に並んだ。チームは逆転勝ちで巨人戦シーズン最多の18勝目。DeNAに2連敗を喫した岡田阪神がクライマックスシリーズ、日本シリーズに向けて、再スタートの一歩を踏み出した。
爽やかな快音を響かせると、自慢の俊足を飛ばした。近本が“らしい”一打で快挙を達成。新人から5年目以内の安打数を767とし、巨人・長野の最多記録に並んだ。ただ、近本はいつもと変わらず涼しい表情だ。
「こうやって聞かれるのも、今日と次の一本だと思うんで、自分のやることしっかりやって、頑張りたいと思います」
王手で迎えた1-1の三回先頭。「1打席目、スライダーがレフトフライだったのでもっとセンターだなと。タイミングと打つ方向をイメージしながら」とフルカウントから山崎伊の145キロど真ん中直球を一閃(いっせん)。打球は左中間を破り、激走。一気に三塁へ到達し、本人の目の前で偉大な記録に並んで見せた。
さらにこの一打でシーズン12三塁打を達成。両リーグトップを独走するだけでなく、球団では1956年・田宮謙次郎以来、リーグでは60年・長嶋茂雄以来の快挙となった。
プロ1年目から球団の新人最多安打や長嶋が記録していたセ・リーグ新人安打数を更新するなど、偉業といわれる数字とは向き合ってきた。そんなルーキー時代、いつも頭の中にあったのは、プロ野球で史上最多となる3度の三冠王を獲得した落合博満氏の言葉だった。
「自分と戦うのが三流。自分と相手と戦うのが二流。自分と相手と数字と戦うのが一流」。偉業を成し遂げてきた大先輩の格言を胸に刻み、戦ってきた。この日もその努力が実り、トップに立った。それでも「別に気にしてないです」と冷静さを貫く。「また6年目、何かできるように」。日々やるべきことをやるだけ。一つ一つの積み重ねが、また大きな実を結び、虎党を熱狂させる。
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