「東京ヤクルトスワローズ５－６阪神タイガース」（２日、神宮球場）

　“アレ”への道のりは一筋縄ではいかない。優勝マジックを１つ減らし「１７」としたが、最大４点差が最後はわずか１点差と薄氷を踏む勝利だった。前夜は「すんなりいかんなあ」と漏らした阪神・岡田彰布監督（６５）だったが、この日は首をかしげながら会見場に現れ、「追加点取れへんからなあ」と思わずつぶやいた。

　この日も起用が的中した。「３番・左翼」に抜てきした小野寺が１－２の三回２死一、二塁から逆転の２点適時三塁打を放った。起用の理由を問われた虎将は「三塁打打つからや」とニヤリ。一挙６点のビッグイニングに貢献した小野寺に対して「あの１本で十分やな、はっきり言うて」と手放しでたたえた。

　３点差の六回は２死二塁から代打・川端が送られると、青柳に代えて島本を投入。細心の注意を払った継投でリードを守り切った。風向きが変わったのは八回。連投の岩貞がこの日も走者をためて降板。１点差に迫られる要因となった。今後の起用については指揮官は「どうやろう。しのげるか」と意味深な笑みを浮かべた。

　ただ、白星が持つ意味の大きさは十分に心得ている。「もうそんな（試合）内容も書けへんやん、新聞。勝った負けたになってくるやろ」と白い歯をこぼした。この先は勝利が全て。残ったのは２連勝という最良の結果だ。