「読売ジャイアンツ２－５阪神タイガース」（９日、東京ドーム）

　ミスからの嫌な流れをはね返し、宿敵・巨人の息の根を止めた。この夜の白星はチーム全員でつかんだ１勝だ。試合後、阪神・岡田彰布監督は「変なゲーム言うたらおかしいですけど。すんなりいってたら良かったんですけど、九回でね」と笑った。

　指揮官の計算に狂いが生じたのは１－０の七回だ。２死からブリンソンの左中間への飛球を左翼・島田が落下点に入っていた中堅・近本と交錯する形で落球。チェンジのはずが２死二塁となり、桐敷が代打・中田翔に逆転弾を浴びてしまった。

　それでも岡田監督は「１点やったら何とかなりそうやった」と慌てない。先発・ビーズリーの後、六回から残り４イニングを桐敷でしのぐプランを変更。決死のリレーで延長戦白星をたぐり寄せた。

　「ケラーがちょっと使えるからな、それが大きいわな」。ライバルとなる新外国人・ブルワーが来日。球場入りの際には「だからケラー使ってるんよ」とニヤリ。早くも相乗効果が出ているようだ。

　ミスをした島田も責めることはなかった。「連係になってなかったんやろ？もうそれだけのことやろ？別にええやんか、勝ったんやから」と笑い飛ばし、「そんな何も責める何もないわ。そんなもん」と語気を強めた。仲間のミスはチーム全員でカバー。猛虎の地力は確実に付いている。