「横浜ＤｅＮＡベイスターズ３－７阪神タイガース」（５日、横浜スタジアム）

　大ピンチで意地を見せた。巻き返しを期す後半戦の初勝利。ただ、阪神・青柳晃洋投手は反省の言葉を一番に口にした。

　「あそこはピッチャーがカバーしないといけないところだったので、２点取られてというのは一番悔しい」

　そう振り返ったのは、５－１の六回だ。１死から宮崎が放った三塁線への打球を佐藤輝が処理したが、一塁へ悪送球となり、出塁を許した。続く牧に右翼線へ二塁打を浴びるなど２死二、三塁の危機。大和に甘くなったツーシームを捉えられて、２点差に迫られる右前適時打を献上した。

　さらに戸柱、京田に連続四球を与えて２死満塁と絶体絶命。それでも、代打・大田を１ボールからの低めツーシームで遊ゴロに仕留め、踏ん張り切った。

　序盤は持ち味を発揮した。三回までは毎回、先頭に安打を浴びて出塁を許したが、いずれも後続を併殺打に。「僕のスタイルから言えば、普通に投げていけばそうなる。良い結果が出て自分でも楽になった」と納得顔だ。

　三回２死一、二塁の打席では、自らを援護する右翼線への適時打もマーク。６回８安打３失点（自責１）で４勝目をつかんだ。今季挙げた白星は全てＤｅＮＡ戦。「自分でも気にしてます。向こうも試行錯誤してますけど、こっちも試行錯誤しているので、勝ちにつながったのは良かった」とうなずいた。

　実はこの日が、同学年の奥さんの誕生日。「意地でも勝ちたかったので、本当に良かった」。どんな時も支えてくれる妻に勝利を届け、優しい笑顔を浮かべた右腕。ここからさらに、ギアを上げていく。