阪神・村上 高校球児ばりの躍動!打ってプロ初マルチ&投げて7回2失点7勝目「もっともっと熱い夏に」

 「阪神タイガース7-2広島東洋カープ」(28日、甲子園球場)

 朱赤の「C」の魂を宿し、阪神・村上頌樹投手は虎党を魅了した。センバツ優勝を果たした智弁学園時代の勇姿が、もう一度聖地でよみがえった。

 「絶対勝つという気持ちでマウンドに上がりました」

 19日のオールスター第1戦(バンテリン)での先発から中8日で迎えた後半戦初登板。二回までピシャリと三者凡退と抑えていた中、1点リードの三回2死二塁から小園に右中間を破る同点適時三塁打を許す。続く野間にも左前適時打を浴び、勝ち越しを許した。

 10連勝中と波に乗っていた広島打線にのまれかけたが、三回に味方がすぐさま勝ち越すとギアアップ。「(勝ち越した直後で)一番意識した」という四回を、2三振を含む三者凡退に仕留めて勢いに乗り、7勝目をたぐり寄せた。

 規定投球回にも乗り、7回5安打2失点の好投。投球もさることながら、打撃でも輝きを放った。四回2死一塁は野村のチェンジアップを捉えて一、二塁間を痛烈に破り、聖地初安打となる右前打。六回2死一、二塁から華麗な流し打ちで左前打を放ち、この回一挙4得点を演出した。

 この日は全国高校野球選手権の奈良大会決勝が行われ、母校・智弁学園が2年ぶりとなる夏の甲子園出場が決定。恩師の小坂監督には「優勝おめでとうございます」とLINEで祝福メッセージを送り、母校の歓喜を見届けてからマウンドに上がった。

 自身はエースを務めていた2016年センバツ決勝・高松商戦では延長十一回にサヨナラV打を記録。投打で躍動した高校時代をほうふつさせるプロ初のマルチ安打で、母校の甲子園出場に花を添えた。

 お立ち台にも上がり、最高の後半戦スタートを切った。「もっともっと熱い夏にしたいと思います」と笑顔で汗を拭った。

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