「阪神タイガース８－５読売ジャイアンツ」（２６日、甲子園球場）

　ベンチで岡田監督が鬼気迫る表情を浮かべながら「ヨッシャー！！！」と絶叫するシーンがあった。勝負手を次々と打ち込み、阪神を逆転勝利へと導いた。

　場面は２点を追う六回２死一、二塁。代打・原口が三遊間を抜くと、二塁走者のノイジーが懸命に走って生還した。直後、ベンチでは岡田監督が絶叫。現役時代からのライバルでもある巨人・原監督と策の打ち合いを制した形だ。

　直前、２死二塁となったところで巨人ベンチが左腕・大江にスイッチ。これを見て岡田監督は「１点差にしとけば。まだまだ（攻撃が）３イニングあったんで、早めに勝負かけました」と木浪に代打・小野寺を告げた。小野寺が四球を選んで一、二塁と好機を拡大すると、たたみかけるように島本の打順で代打・原口を投入。これを見た原監督が菊地にスイッチ。原口は追い込まれながらもしぶとく左前にはじき返した。

　試合はまだ六回だったが、勝負手を次々と打った岡田監督。対して原監督はベンチで悔しげな表情を浮かべた。

　１点ビハインドの展開で終盤の七回に入ると、佐藤輝の適時打で試合を振り出しに戻し、坂本の犠飛で勝ち越しに成功。さらに小幡に適時三塁打も飛び出した。岡田采配が流れを呼び込み、見事に試合をひっくり返した。

　これで阪神は甲子園の巨人戦で２９年ぶりの６連勝をマーク。原監督との采配勝負を制して首位の座をがっちりとキープし、「きょうの方が楽しかったな」と納得の表情を浮かべていた。