阪神・前川右京 ついに出た!待望のプロ初安打 高卒2年目希望の一撃「ようやくです」

 「楽天4-1阪神」(6日、楽天モバイルパーク)

 待望の快音が響いた。阪神・前川右京外野手(20)が七回に右前へプロ初安打を放った。高卒2年目、通算11打席目。将来の主砲候補がプロとしての力強い第一歩を踏み出した。だが、チームは連勝が2でストップ。5日・ロッテ戦(甲子園)での5時間7分の激闘から一夜明け、午前中に仙台へ移動して臨んだ一戦は、若虎の躍動がファンの希望となった。

 「よかったぁ~」。試合後、前川の口から思わず安堵(あんど)の言葉がこぼれた。「ようやくです。長かったです」。ついに待ちわびた瞬間が訪れた。

 「7番・DH」で自身3度目の先発出場。2打席凡退で迎えた七回無死だった。カウント0-1から代わったばかりの宋家豪のチェンジアップを強振した。鋭い打球は一、二塁間を抜け、右前打に。出場4試合目、11打席目で待望のプロ初安打を記録。一塁上でぱんっと手をたたき、「うれしかったです」と顔をほころばせた。

 苦しい時期を乗り越えてきた。岡田監督が開幕右翼候補に挙げていたが、左上肢のコンディショニング不良で春季キャンプは2軍スタート。悔しい気持ちの中で、打撃フォームを試行錯誤していた。

 肩より下だったグリップエンドの高さを上にしてみたこともあった。しかし打撃の状態はなかなか上向かず、3月上旬には「このままじゃ全然(1軍に)上がれない。自分の中で迷いがある」と漏らしていた。それでも気持ちは切らさず、3月末にはフォームの8割方を固定。残りの2割はその日のスイングのキレなどによって微調整し、グリップエンドの位置も下に戻した。

 固定したポイントは「股関節に力をためること」と「上体を真っすぐにすること」。力を前にぶつけやすくなり、前傾していた姿勢を正すことでボールの距離感も測りやすくなった。試行錯誤の成果が徐々に表れ、ウエスタンでは打率・360までに上昇した。

 5月30日に1軍初昇格したが、無安打が続き、また壁にぶつかっていた。そんな時、水口打撃コーチから助言を受けた。「上からたたくイメージでいけ」。代打で出場した5日・ロッテ戦(甲子園)からグリップエンドの位置を高くした。再び打撃フォームを変更する思い切った決断で壁を乗り越え、岡田監督も「そら成長してんちゃう」と目を細めた。

 「(記念球は)家族かおじいちゃんに渡そうかなと思ってます」と孝行息子な一面ものぞかせた未来の大砲。「活躍して結果残さないといけないので、また気を引き締めて頑張ります」。一つずつ壁を乗り越え、進化を遂げていく。

 ◆前川 右京(まえがわ・うきょう)2003年5月18日生まれ、20歳。三重県出身。176センチ、88キロ。左投げ左打ち。外野手。背番号58。今季推定年俸500万円。智弁学園で1年夏から4番を務め、21年度ドラフト4位で阪神入団。今年5月30日・西武戦(ベルーナ)で6番・指名打者で1軍初出場。

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