阪神・梅野に見えた光 開幕戦初打席以来タイムリーに今季最多4万2600人が「梅野コール」

 8回、2点適時打を放ち送球間に二塁へ滑り込む梅野
 8回、適時打を放ち塁上でガッツポーズを見せる梅野
 8回、2点適時打を放つ梅野
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 「阪神4-1広島」(21日、甲子園球場)

 みんな、梅ちゃんの笑顔を待っていた。阪神・梅野隆太郎捕手(31)が、四回に開幕戦以来92打席ぶりとなる適時打を放ち、八回には勝利を決定付ける2点適時打と計3打点の活躍。守備でも投手陣を引っ張り、攻守にわたって勝利を導いた。3カード連続勝ち越しで、貯金も今季最多を更新する「11」。最近10試合で9勝1敗という好調の猛虎が、さらに勢いに乗って突き進む。

 勝敗を決定づける一打を放ち、心のうっぷんを振り払うかのように力強いガッツポーズを二塁上で決めた。打撃不振に陥っていた梅野が、2年ぶりとなる1試合2本の適時打。「上がるしかないんで。自分でしか分からない心境もいろいろあるし、そこは自分で打破していかないといけない」と確かな手応えをつかんだ。

 1点リードでの八回だ。前を打つドラフト1位・森下(中大)が三振に倒れ、2死二、三塁に。「森下がね、悔しそうだったので何とか自分が」と覚悟を決めて打席に入ると、島内の初球、155キロ直球を右前に運び、貴重な追加点としてスコアボードに「2」を刻んだ。今季最多4万2600人が集まった甲子園で、歓喜の「梅野コール」が響いた。

 価値ある一打は四回にも放っていた。2死一、二塁からの中前打で、開幕戦で今季チーム初得点を挙げて以来の適時打をマーク。1試合3打点は21年5月30日・西武戦以来で「甲子園がこうやって盛り上がり、本当に最高の場所で打てて歓声をいただき、本当にうれしく思います」と白い歯をこぼした。

 正捕手に指名されて迎えたシーズン。開幕マスクをかぶるも打率1割台が続き、坂本に先発を譲る日も多い。4月下旬の敗戦後に、「俺の責任」と沈痛さをにじませることもあった。もがき苦しんでいたこの時期、盟友から無言のエールを送られていた。

 2軍で調整を続ける守護神・湯浅が、自身のインスタグラムのアイコンを、信条としている「あおいくま」から、梅野との2ショットに変更。“真意”について湯浅は「自分の口から言ったら、良くない。そこは…その通りで」と多くを語らずも、「チーム梅野ですから!!」と強調。1月に自主トレを共にしたバッテリーのキズナで復調を願っていた。そういった仲間の思いにも応えた活躍だ。

 強気の配球でも才木を好リードし、勝利に貢献。マルチ安打は14日・中日戦以来今季2度目で、出場4試合連続出塁も続けている。確実に光は差し始め、指揮官の信頼も「坂本がちょっと落ちたときに、今は梅野がだいぶ上がってきたんで。1年長いから。ああいう形では終わらんよ」と変わらない。

 チームは今季最多の貯金11。5月の勝率5割以上も確定した。さらに勢いを増すため、右肩上がりの背番号2も加速していく。

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