帰ってきたウル虎 阪神・伊藤将のGキラー健在 若林忠志に並ぶ歴代4位の甲子園11連勝
「阪神15-0巨人」(27日、甲子園球場)
ペンライトの鮮やかなネオンが聖地を彩る。待ちわびていた歓声を一心に浴び、阪神・伊藤将司投手はダンディーな顎髭を蓄えた口元を緩めた。今季初登板にして初勝利。左肩違和感により開幕ローテを逃した悔しさをバネに、完封で復帰登板を飾った。
「初登板なので、思い切って勝負していこうと思っていました」
遅れを取り戻さんとばかりに、快調に飛ばした。初回を3人で料理すると、二回には4番・岡本和、5番・中田翔を連続三振。最速146キロを計測した直球は抜群で、特に右打者への内角がさえ渡った。「試合前のブルペンから良かった」と坂本に売り込んだカーブで緩急も使い、8三振をマーク。五回1死では中田翔に初安打となる左前打を許したものの、後続は断った。
左腕の好投に打線も大量援護をプレゼント。「ああいう展開は気を許す場面が多くなりやすいと思うので、一人一人集中して投げる事ができた」。気持ちを切らさず、相手打線を散発2安打に抑えて9回106球を無四球で投げきった。
最強の“方程式”がこの日も完成だ。巨人戦は昨季、2試合連続の完封勝利を含む3戦3勝で防御率は0・38と相性抜群。「去年は去年なので」と冷静に話していたものの、今季初対戦でプロ3度目の完封とGキラーぶりを見せつけた。さらに、ルーキーイヤーの21年9月1日・中日戦から、これで甲子園11連勝。歴代4位の若林忠志に並ぶ無双状態だ。「本拠地で勝てればファンの方もよろこんでくれるので良かった」と誇らしげに笑った。
理想の姿に追いつき、追い越せ-。師匠からのエールを胸に今季へ臨む。21年オフの自主トレで弟子入りし、昨季限りで現役を退いた元阪神の能見氏。引退の正式発表後に連絡を取ったといい、「『将司が活躍する姿を陰ながら応援してる』と言ってもらった。良い報告ができるように」と決意を新たにした。「能見さんみたいになれるように」。左のエースから虎のエースへ。自分信じて、腕を振る。
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